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映画は映画だ（MOVIE IS MOVIE）
（2008年 韓国）（上映時間1時間53分）
監督：チャン・フン
出演：ソ・ジソブ、カン・ジファン、ホン・スヒョン、コ・チャンソク、ソ
ン・ヨンテ、チャン・ヒジン
＊シネマスクエアとうきゅうほかにて全国公開
ホームページ http://www.eiga-eiga.jp/
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＜ストーリー＞
人気俳優のスタ（カン・ジファン）は新作アクション映画でファイトシーンを
撮影中、相手役を殴り大怪我させてしまう。新たな相手役が見つからず困った
スタは、かつて俳優を夢見ていたというヤクザのガンペ（ソ・ジソブ）に、出
演を依頼するのだが……。
＜レビュー＞
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ヤクザみたいな俳優と俳優志望のヤクザ。２人の男の人生に哀しみが漂う
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人気韓流スター、ソ・ジソブとカン・ジファンがダブル主演ということで、劇
場には女性ファンがたくさん詰めかけているこの映画。しかし、ソ・ジソブと
カン・ジファンを知らない人にも、十分に楽しめると思います。
暴力的でワガママな映画俳優のスタは、新作アクション映画で相手役を殴って
ケガをさせ、その代わりが見つからずに困ってしまいます。そこで、偶然会っ
たばかりのホンモノのヤクザ、ガンペに出演を依頼します。
ホンモノのヤクザが映画でヤクザを演じるというユニークな展開。しかも、こ
のガンペという男、もともとは俳優志望だったのです。
一方、俳優のスタは、乱暴者でトラブルだらけの人生。恋人ともうまくいって
いない状況です。
そんな２人が映画を通して、それぞれの人生をクロスさせます。「もしも別の
人生を生きられたら……」という思いで揺れ動く２人の胸中。反発しあいなが
らも相手をうらやむ屈折した心情。そうしたものをセリフだけでなく、表情や
しぐさなどを使いながら、巧みに表現していきます。
同時に「映画におけるリアルさとは何か？」にも迫っていきます。リアルなア
クションシーンを追求すれば、結局、本当の殴り合いをすることになる皮肉。
演じることの難しさや奥深さをうかがわせます。
とはいえ、切り口はあくまでもアクション映画。笑えるところもたくさんあっ
て、エンターティメント性がタップリ。
映画の撮影を通して、俳優というかつての夢を実現させるガンペ。しかし、彼
はホンモノのヤクザ。映画の撮影と同時にヤクザ同士の抗争が進行していきま
す。そして、ちょっとした温情からガンペは危機に陥ってしまいます。
その後、クライマックスで描かれるアクションシーンが見事です。映画の撮影
でありながら、ホンモノの殴り合いを展開する２人。泥だらけになって闘う２
人の姿は壮絶の一語。ヒリヒリするように熱くて、痛すぎるシーンです。
実は、この映画の原案と製作は、『魚と寝る女』『悪い男』『サマリア』『絶
対の愛』などの鬼才キム・ギドク監督。エンターティメントとは距離のある作
品で知られる人が、どうしてこういう映画に関わったのかと思ったら、この映
画のチャン・フン監督は、彼のもとで助監督を務めていたそうです。
おそらく、キム・ギドクが自分で監督したら、同じネタでもまったく違った映
画になったことでしょう（それもちょっと観てみたかったけど）。
それでも、余韻のあるラストシーンはちょっとキム・ギドク風かも！？ 最後
に視線を交わす２人の男の姿が、哀しすぎます……。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（切り口はアクション映画ですが、それを通して人生の哀愁が伝わってきます。
男性にもぜひ観てほしい映画。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年3月20日（金）シネマスクエアとうきゅうにて。午後2時10分の回
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