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エンプレス −運命の戦い−
（江山美人／AN EMPRESS AND THE WARRIORS）
（2008年 中国・香港）（上映時間1時間35分）
監督：チン・シウトン
出演：ドニー・イェン、ケリー・チャン、レオン・ライ、グオ・シャオドン、
コウ・ジェンハイ
＊シネマート六本木ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.anempress.jp/
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＜ストーリー＞
戦国時代の中国。趙国との戦いで燕国の王が亡くなる。死の直前に全権を託さ
れた将軍・雪虎（ドニー・イェン）は、王女の飛児（ケリー・チャン）を後継
に据え、自らは後見役として彼女を鍛える。一方、王位を狙う胡覇は、飛児の
暗殺を企て、飛児は毒矢で重傷を負う。そんな彼女を救ったのは、山奥で隠遁
生活を送る元戦士の段蘭泉（レオン・ライ）だった……。
＜レビュー＞
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香港スター共演による迫力のアクションとラブ・ストーリー
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ドニー・イェン（『HERO』）、ケリー・チャン（『インファナル・アフェ
ア』）、レオン・ライ（『天使の涙』）という香港スター共演の映画です。
モチーフとなったのは、身分違いの悲恋物語として知られる中国の昔話"江山美
人"。それを『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のチン・シウトン監督が
映画化。
物語の舞台は戦国時代。燕国の王が趙国との戦いの最中に死に、将軍の雪虎、
王女の飛児、将軍の胡覇が後継候補になります。雪虎は、子供の頃から自分の
ことを兄と慕う王女の飛児を王に推し、自分は後見役として飛児を特訓します。
ところが、王への野望を捨てられない胡覇が飛児暗殺を企て、彼女は毒矢で負
傷。そのピンチを救ったのが、山奥で隠遁生活を送る蘭泉という男。実は彼は
元伝説の戦士。飛児は彼に惹かれていきます。
再び趙国が燕国への攻撃を仕掛け、さらに燕国内部では胡覇が不穏な行動を取
る中、はたして飛児と蘭泉の恋の行方は？ そして雪虎の運命は？
見どころはやはりアクションシーンでしょう。特に１対１の格闘はかなりの迫
力。ワイヤーアクションなども駆使して、見応えあるシーンを生み出していま
す。大量のエキストラを動員したスケールの大きな合戦シーンも見ものです。
中盤以降に展開されるケリー・チャンとレオン・ライによるラブ・ストーリー
もなかなかよくできています。元気の良いはねっかえり王女に手を焼く隠遁生
活中の男……という構図で、ユーモアも織り込みつつ、ほほえましい恋愛ドラ
マを展開しています。重要なアイテムとして気球を使うのも面白いですね。
その後、飛児の活躍によって平和がもたらされ、ハッピーエンドになるかと思
いきや、燕国内の政変によって事態は大変なことになります。
クライマックスでのドニー・イェンの大立ち回りは、この映画のアクション
シーンの中でも出色。それに続くケリー・チャンのバトルも迫力があります。
ただし、ラスト近くはバタバタといってしまった感じで、もう少し時間をかけ
て描いてもよかったのでは？ そうすれば飛児と蘭泉のラブ・ストーリーに、
さらに深みが出たと思うのですが。1時間半程度の短い映画なんだし。
この映画を観ると香港映画の実力が再認識できます。アクションでハラハラさ
せて、ラブ・ストーリーでしみじみさせる。娯楽映画として、とてもバランス
の良い作品だと思います。
ケリー・チャンって、いつまでたってもカワイイですね。去年結婚して、今年
はママになるらしいけど……。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（迫力のアクション＋しみじみするラブ・ストーリー。よくまとまった映画で、
誰でもそれなりに楽しめそうです。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年2月6日（日）マスコミ試写（映画美学校）にて
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