|
ファイナル・デッドコースター（FINAL DESTINATION 3）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間33分）
監督：ジェームズ・ウォン
出演：メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ライアン・メリマン、クリス
タル・ロウ、 シャーラン・シモンズ、クリス・レムシュ、サム・イーストン、
アレックズ・ジョンソン、 アマンダ・クルー、テキサス・バトル
＊シネマＧＡＧＡ！、銀座シネパトス、新宿オスカーほかにて公開
ホームページ http://www.finaldeadcoaster.com/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
ウェンディ（メアリー・エリザベス・ウィンステッド）は、ハイスクールの卒
業イベントで仲間たちとともにアミューズメント・パークに行き、ジェット
コースターに乗り込む。だが、事故の予知夢を見たウェンディはパニックに陥
り、数人の仲間とともに係員によって降ろされてしまう。その直後、ジェット
コースターは本当に事故を起こしてしまう。九死に一生を得たウェンディたち
だが、"死の運命"は、形を変えて再び彼女たちを襲い始め……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
巧みな構成が光る"死の運命"との対決シリーズ３作目
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ファイナル・デスティネーション』（2000）、『デッドコースター』（200
3）に続くホラー・シリーズ第３作。どんなシリーズかというと、ティーンエイ
ジャーの主人公が事故の予知夢を見て仲間とともに死を回避するものの、"死の
運命"は生き残った人々を次々に襲い始めるという映画です。
１作目は飛行機事故、２作目は自動車事故、そして今回はジェットコースター
の事故。
ハイスクールの仲間とともにアミューズメント・パークを訪れた主人公ウェン
ディが、ジェットコースターに乗り込んだところで大事故の予知夢を見て、パ
ニックに陥り、出発直前に降ろされる。すると、本当に大事故が起き、乗り込
んだままだったボーイフレンドたちが死んでしまう。そして、ウェンディをは
じめ助かった人々にも、死の運命が襲いかかる……。
要するに、１作目の旅客機と２作目の自動車がジェットコースターに変わった
だけで、あとはほとんど同じ。生き残った人々が座席の順番に死んでいくとい
うのも、過去と同じパターンです。
なのに、これがけっこうおもしろい！
どうしてかというと、「人間の死って運命づけられているの？ どうしても逃
れられないの？」という誰もが持つ素朴な疑問が、映画の背景に存在するから。
強引な展開の連続の荒唐無稽な話なのに、バカバカしいと思わせないものがあ
るのです。
しかも、細部まで良くつくりこまれているんですよねぇ〜。
何よりも見事なのが、登場人物の独創的な殺され方。人の生き死にに関するこ
とだけに、不謹慎とは思いつつも「おお！ そういう方法がありました
か！？」と思わずうなってしまうアイデアの連続。最初のジェット・コース
ターから始まって、日焼けサロン、ドライブスルー、ＤＩＹショップなどなど、
「よくもまあ、こんなことを思いつくなぁ〜」と感心するばかり。
そんな死に方を暗示させる写真の使い方なども実に効果的。現実と思わせてお
いて、「本当は予知夢でした〜」なんて、ありがちな展開だけど、ついドキド
キしてしまいます。
演出もサエています。ジェットコースターのシーンなんて、あまりにもリアル
で、まるで自分が乗り込んでいるかのよう。ジェットコースター嫌いの人は気
持悪くなっちゃうかもヨ〜。地下鉄を使った後日談のラストもおもしろいし、
最後までダレるところがありません。監督は第１作のジェームズ・ウォンに戻
りました。
ほんのちょっとしたことが、次々にいろんなことを引き起こして、ついに人が
死んでしまうという転がり方が秀逸。ユニークなアイデアと巧みな構成が光り
ます。ハラハラドキドキの映画が好きな方にはオススメですね。
ただし、登場人物の死に方はすべてエグいものばかり。体が切断され、頭がぶ
っ飛ばされ、内臓がドバッ、血しぶきビュッ……てな感じなので、スプラッ
ター系の映画が苦手な方はご注意くださいませ。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（３作目にして相変わらずのおもしろさ。過去２作品を観ていなくても楽しめ
ます。ただし、エグいのがダメな人はやめときましょうね。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年9月17日（日）池袋シネマサンシャインにて。午後3時40分の回
[「ふ」のページ] |