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ガチ☆ボーイ
（2007年 日本）（上映時間2時間）
監督：小泉徳宏
出演：佐藤隆太、サエコ、向井理、仲里依紗、宮川大輔、泉谷しげる、川岡大
次郎、瀬川亮、西田征史、中谷竜、小椋毅、久保麻衣子
＊アミューズＣＱＮ、ＴＯＨＯシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://www.go-go-igarashi.jp/
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＜ストーリー＞
大学生の五十嵐良一（佐藤隆太）が、突然プロレス研究会に入部する。部員た
ちは歓迎し、プロレスの基本を教えるが、段取りを覚えられない五十嵐は、商
店街での試合でガチンコ・ファイトを展開してしまう。実は、彼は事故で頭を
打ってから、一晩眠るとその日の出来事を忘れてしまう脳障害を抱えていたの
だ。ガチンコぶりがウケて人気者になる五十嵐だったが……。
＜レビュー＞
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難病＋学生プロレス＝笑って、感動して、スカッとできる青春映画
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笑いの後に感動して、最後はすがすがしい気分になれる。目新しいことは何も
ないけれど、実にまっとうな気持ちの良い青春映画です。
何よりも効果的なのが、新しいことが覚えられない脳障害の主人公と、学生プ
ロレスという取り合わせ（原作は劇団モダンスイマーズの舞台だとか）。おか
げで難病モノにありがちな過剰なウエット感も、押し付けがましさもありませ
ん。
前半は、最近落ち目のプロレス研究会に、五十嵐という新入部員が入ってくる
が、学生プロレスには大切な段取りを忘れてしまい大混乱に……というお話。
学生プロレスに入れ込む部員たちや五十嵐の姿を、笑いとともに生き生きと描
いています。部員たちのキャラクターがいいし、ちょっとハズシ気味の笑いが
効いています。
そんな中で奇妙なのが、五十嵐が常にポラロイドカメラで写真を撮り、メモを
取っていること。実は彼には、大きな秘密があったのです……。
というわけで、五十嵐が記憶にトラブルを抱えているという事実が発覚した後
半は、正統派の感動ドラマの色彩が強くなります。「生きてる証」を求めてプ
ロレスを始めたものの、そこでも挫折し苦悩する五十嵐。そして彼を見守る父
や妹、部員たち。彼らの姿が感動的に描かれます。感動的とはいっても、あく
までもさりげない感動です。ここでも押し付けがましさはまったくありません。
それでも、主人公の日記を父親が読んでしまうところなどでは、思わず涙がこ
ぼれてしまいます。
クライマックスは迫力満点のプロレスの試合。痛みや傷などカラダに刻まれた
記憶を通して、生きる実感を取り戻していく主人公のひたむきな姿に、思わず
拍手を送りたくなってしまいます。このあたりは、青春感動ストーリーらしい
定番の展開ですが、最後まで飽きることはありませんでした。
あと味はスッキリで、エンディングに流れるチャットモンチーの曲も若々しさ
にあふれていてサイコー！！
主演の佐藤隆太の正攻法の演技が好印象。そして、彼を応援する先輩部員のサ
エコ（ダルビッシュ夫人）も良い味を出しています。
全体に定番の域を出ていない展開が多いのと、舞台劇が原作のせいかセリフが
過剰で、それ以外で見せる部分が少ないのがやや物足りないところ。
とはいえ、笑って、感動して、スカッとできる、楽しい青春映画でかなりの満
足度でした。
小泉徳宏監督は、前作『タイヨウのうた』もそうでしたが、若い割にはとても
堅実な演出をする監督ですね。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（誰でも楽しめる青春映画。難病モノにありがちな感動の押し売りもなく、自
然な感動が伝わってきます。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年3月1日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時の回
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