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ジェネラル・ルージュの凱旋
（2009年 日本）（上映時間2時間3分）
監督：中村義洋
出演：竹内結子、阿部寛、堺雅人、羽田美智子、山本太郎、貫地谷しほり、尾
美としのり、高嶋政伸、佐野史郎、玉山鉄二、平泉成、野際陽子、國村隼
＊TOHOシネマズ有楽座ほかにて全国公開
ホームページ http://www.general-rouge.jp/
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＜ストーリー＞
東城大学付属病院の不定愁訴外来の医師・田口（竹内結子）は、"ジェネラル・
ルージュ"の異名を取る救命救急の速水晃一センター長（堺雅人）が、医療メー
カーと癒着しているという告発文を受け取る。院長の依頼で、骨折で入院して
きた厚生労働省のキレモノ役人・白鳥（阿部寛）とともに、疑惑の真相を探る
田口だが……。
＜レビュー＞
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前作と同じ凸凹コンビが活躍する楽しい医療サスペンス
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『チーム・バチスタの栄光』に続いて、現役医師の海堂尊の小説を映画化。今
回も舞台は、東城大学付属病院。よく事件が起きる病院ですねぇ〜（笑）。
前作で事件解決に貢献した、不定愁訴外来（別名グチ外来）の医師・田口は現
在、病院の倫理委員会委員長。そんな彼女のもとに、「救命救急の速水セン
ター長が医療メーカーと癒着している。花房看護師長は共犯だ」という告発文
が届きます。院長の依頼で、渋々調査に乗り出す田口。そこに前作で田口とコ
ンビを組んで事件を解決した厚生労働省の役人・白鳥が、骨折で入院してきま
す。彼のところにも同じ告発文が届いていたことから、２人は再びコンビを組
んで真相を探り始めます。
前作と同様に、田口・白鳥コンビが事件を追う姿を中心に、コミカルに描いた
医療サスペンス。ただし、前作は心臓外科でのバチスタ手術の事故をめぐる話
でしたが、今回は救命救急における業者との癒着をめぐる事件。その分、サス
ペンスとしての緊迫感や謎解きの楽しさは、前作のほうが上回っています。
だけど、それでもやっぱり面白いんです。なんといってもキャラクターが秀逸。
血を見るのが嫌いで、患者の愚痴を聞くのが仕事のユル〜イ医者の田口。原作
では男性のこの役に竹内結子を起用したのが大正解。
一方、彼女とコンビを組むのは厚生労働省の役人の白鳥。キレモノだけども、
わがままで、傍若無人の振る舞いばかり。しかも、けっこうマヌケだったりし
ます。阿部寛もはまり役で、二人の凸凹コンビが絶妙です。
今回初登場の堺雅人扮する救命救急センター長、高嶋政伸扮する精神科医など、
その他のキャストもみんなキャラが立っています。こういう人たちが、アレコ
レぶつかって、なかなか面白い方向に転がっていきます。
しかも、ドラマの背景には、現実の医療をめぐる様々な問題があります。過酷
な救命救急の現場、金儲け優先で不採算部門を斬り捨てようとする動きなどが、
あくまでもエンターティメントの枠内とはいえ、それなりにきちんと織り込ま
れています。
後半で、事件が明らかになる倫理委員会でのやりとりは、かなりの見応え。有
利だと思えた側が不利になり、不利だった側が有利になるという逆転現象が見
もの。
さらに、その後に起きる大事故の顛末は迫力タップリ。おびただしい数の負傷
者に対する救命救急のシーンは、実際の現場にいるような臨場感があります。
そこで明らかになる「ゼネラル・ルージュ」のニックネームの由来。「チュッ
パチャップス」をうまく使った、笑える後日談なども気が利いています。
最後はロマンスまで描いて、白鳥の爆笑の再登場でシメ。
監督は前作と同じ中村義洋。この人、『アヒルと鴨のコインロッカー』『ジ
ャージの二人』などいろんな映画を撮っていますが、すべてにおいてソツのな
い演出力を見せています。まだ若い監督なので今後にも期待。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（気楽に笑って楽しめるサスペンス。前作同様に楽しい映画でした。前作を観
なくても楽しめますが、観ておくとなおさら楽しいと思います。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年3月7日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の回
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