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義兄弟 SECRET REUNION（SECRET REUNION）
（2010年 韓国）（上映時間1時間56分）
監督：チャン・フン
出演：ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、チョン・グクァン、パク・ヒョック
ォン、チェ・ジョンウ
＊シネマート新宿ほかにて公開
ホームページ http://www.gikyodai.com/
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＜ストーリー＞
ソウル市内で発生した国家情報員と北朝鮮工作員との銃撃事件。工作員を取り
逃がしたうえ、多くの死傷者を出す事態を招いた責任を問われ、イ・ハンギュ
（ソン・ガンホ）はクビになってしまう。それから6年後、サエない探偵仕事で
金を稼いでいたハンギュは、6年前の銃撃事件現場にいた工作員ソン・ジウォン
（カン・ドンウォン）に偶然出くわす。ハンギュの誘いを受けジウォンは一緒
に働き始める。それぞれの目的を隠しながら行動するうちに、次第に心を通わ
せていく2人だったが……。
＜レビュー＞
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主役2人の存在感が際立つ異色の南北もののドラマ
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ソン・ガンホの出る映画にハズレなし。というのが私の持論。朝鮮半島の南北
問題を背景にしたこの映画も、過去のこの手の作品とは、ひと味違う魅力を持
つ面白い映画です。
オープニングの雨の夜景から雰囲気タップリ。続いて、北の工作員ソン・ジウ
ォンと国家情報員イ・ハンギュが登場。
ジウォンぱボスとともに裏切り者の暗殺に向かいます。それを追うハンギュ。
スクリーンを覆う異様な緊張感の中、カーアクションなども飛び出して、ハラ
ハラドキドキのスリリングなシーンが連続します。
しかし、ハンギュは無断で行動した末に、工作員を取り逃がしてしまい、国家
情報員をクビになります。そして場面は一気に6年後に。
探偵となって、逃げた外国人花嫁を探す仕事で金を稼いでいたハンギュは、偶
然ジウォンにピンチを救われ、再会を果たします。ジウォンを追えば、北の工
作員のボスを捕まえられると考えたハンギュは、彼に自分の部下として働くよ
うに誘います。ジウォンもそれに応じて、2人は同居して一緒に行動するように
なります。
ダメダメでやたらに強引なハンギュ。一方、いかにもスパイらしく常にストイ
ックに行動するジウォン。ハンギュ役のソン・ガンホが持ち味を発揮。ストイ
ックなスパイを演じたカン・ドンウォンも存在感十分。それぞれのキャラク
ターが好対照で、絶妙のコンビぶりです。ユーモラスで笑える場面がたくさん
あります。
とはいえ、それは単なる共同行動ではありません。ハンギュはジウォンが自分
の正体を知らないと信じています。それに対して、ジウォンはハンギュが今も
現役の国家情報員だと信じて彼の動向を探ります。
それぞれの思惑を胸に秘め、お互いをだまし、腹を探り合う2人の駆け引きがサ
スペンスフル。ジウォンは今でも北の工作員なのか、それとも北に見捨てられ
たのか。それを明確にしないところも、観客の興味をひきつけるポイントです。
そのうちに、ハンギュとジウォンの間には奇妙な友情が生まれます。離婚して
娘と離れて暮らすハンギュ、北に帰れず妻や娘と会えないジウォンという共通
項も、2人の結びつきを加速します。
そんな中、終盤に大きな事件が起きます。ある行動を開始するジウォン。それ
に対して、彼を信じて逃がそうとするハンギュ。スリリングな展開が続いてド
ラマは一気に頂点へ。
ラストには信じられないような場面が用意されています。冷静に考えれば、明
らかにやり過ぎのシーン。それでも、何が何でも観客に笑顔で帰ってもらいた
いという作り手の強い意図に圧倒されて、これはこれでいいのかなという気も
してくるから不思議なもの。韓国映画お得意の力技です。
監督は『映画は映画だ』のチャン・フン。南北の緊張緩和や北の核実験などの
時代背景も生かした社会派の要素もあるサスペンスですが、何よりも2人の男の
熱い思いが交差する人間ドラマとして見応え十分です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（主役2人の存在感が際立つ見応えあるドラマ。過去の南北ものの映画とは違っ
た魅力があります。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年10月31日（日）シネマート新宿にて。午後1時40分の回
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