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ＧＳワンダーランド
（2008年 日本）（上映時間1時間40分）
監督：本田隆一
出演：栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介、温水洋一、三倉茉奈、三倉
佳奈、ケンドーコバヤシ、大杉漣、高岡蒼甫、武田真治、杉本哲太、岸部一徳
＊渋谷シネマGAGA！、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
ホームページ http://www.gs-w.jp/
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＜ストーリー＞
1968年。ＧＳブームの中、音楽事務所社長の梶井（武田真治）はレコード会社
からバンド発掘を依頼される。梶井は、"ザ・ダイアモンズ"を結成したマサオ
（石田卓也）、シュン（水嶋ヒロ）、ケンタ（浅利陽介）の３人をスカウト。
だが、レコード会社からキーボードが必要と言われ、歌手志望のミク（栗山千
明）を無理やり男装させてメンバーに加える。こうしてデビューしたもののバ
ンドはまったく売れず、レコード会社の意向で、白タイツにフリルの"ザ・タイ
ツメン"として再デビューさせられるのだが…。
＜レビュー＞
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ＧＳブームを舞台にした爆笑青春コメディ。ＧＳを知らなくても笑えます
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1970年前後に大ブームとなったＧＳ＝グループサウンズ。「そんな昔のことな
んて知らない！」という人でも大丈夫。たいていの人なら爆笑できる楽しい青
春コメディです。
自分たちもバンドを組んで、ＧＳのメッカ、日劇に出演したいと意気込む３人
の若者。偶然、音楽事務所社長にスカウトされたものの、キーボードが必要と
レコード会社に言われてしまう。そこで社長は、歌手志望の女の子を男に仕立
ててデビューを実現。でも、デビュー曲は23枚しか売れず、レコード会社の意
向で大イメチェン。白タイツにフリルの王子様スタイルの"ザ・タイツメン"と
して売り出されることに。これが大ブレイクしたのはいいけれど……。
オープニングから間もなく登場するのが「ビートルズのポール・マッカート
ニーとリンゴ・スターが秋田にいて、みんなに楽器を教えている」というオバ
カなお話。ここからもう笑いっぱなし。笑いどころ満載の映画です。
特に印象的なのが、当時の音楽業界事情をコケにした笑い。バンドを売り出そ
うとするあまり、キテレツな企画を考えるオバカなレコード会社の人たち、そ
れに右往左往させられるバンドのメンバーたち。当人たちは真剣なんでしょう
けど、見ている分にはひたすら笑えます。
脇役のキャラクターも秀逸です。武田真治演じる音楽事務所社長、なんと元
ザ・タイガースの岸部一徳が演じる（「花の首飾り」のジャケットを手に登
場）威張りくさったレコード会社社長とその部下たち、温水洋一率いる謎のオ
ッサンＧＳグループなどなど。見ているだけで笑ってしまいます。
登場する楽曲は本格的。ザ・タイツメンのデビュー曲「海岸線のホテル」は、
作詞・橋本淳、作曲・筒美京平の黄金コンビによる、いかにもＧＳらしい曲。
一度聴いたら忘れません。メンバーの栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽
介も、なかなかの演奏を聞かせています。
彼らのライバルバンド、ザ・ナックルズのボーカル高岡蒼甫の成りきりぶりも
見事。特に後半のＧＳからニューロックへの転身ぶりが最高です。
笑いが中心ですが、青春ドラマ、特にザ・タイツメンの４人の友情物語は、そ
れなりにきちんと描かれています。最初はミクが女だったこともあってギクシ
ャクしていた４人ですが、いろいろな経験をして固い友情で結ばれていきます。
後半は、ある出来事がきっかけで、４人が大きな転機を迎えます。そこで、物
語が終わるのかと思いきや、本当のクライマックスはその先にありました。そ
こでのザ・タイツメンの演奏が感動的。
その後描かれる後日談も笑えます。「ああ、なるほど」と思ったら、最後に
「今年のレコード大賞確実」と紹介されて登場したのは……。ここでまた大爆
笑。その正体は、自分で確かめてみてください。
ザ・タイツメンの４人の中では、石田卓也が予想以上の演技。でも、やっぱり
スゴイのは栗山千明。サイケファッションで日劇前に立つシーンがカッコい
い！ ラストのステージも完全に雰囲気をつかんでいます。彼女の魅力が全開
でした。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（たっぷり笑って、明るくハッピーになれるコメディ。ＧＳを知らなくても笑
えるはず。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2008年11月23日（日）シネマート新宿にて。午後4時10分の回
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