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ＨＡＣＨＩ 約束の犬（Hachiko: A Dog's Story）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間38分）
監督：ラッセ・ハルストレム
出演：リチャード・ギア、ジョーン・アレン、サラ・ローマー、ケイリー＝ヒ
ロユキ・タガワ、ジェイソン・アレクサンダー、エリック・アバリ、タバニ
ア・マクファデン、ロビー・コリアー＝サブレット
＊ 丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.hachi-movie.jp/
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＜ストーリー＞
日本からアメリカへと送られ、駅で迷子になってしまった秋田犬の子犬を、大
学教授のパーカー（リチャード・ギア）が家へ連れ帰る。妻のケイト（ジョー
ン・アレン）が反対したものの、やがて子犬は家族の一員になった。首輪のタ
グの漢字から「ハチ」と名付けられた子犬はパーカーになつき、毎朝駅まで見
送りに行き、夕方5時に駅で帰りを待つようになる。だが、ある日、パーカーは
大学の講義中に倒れてしまい……。
＜レビュー＞
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あのハチ公物語がアメリカ進出！！ 犬と人間の温かなドラマ
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日本でおなじみの実話をアメリカで映画化した「ハチ公物語in USA」です。い
くら犬好きでも「いまさら……」という感じですが、監督が、『ギルバート・
グレイプ』『サイダーハウス・ルール』『ショコラ』のラッセ・ハルストレム
なのが気になって、観に行ってしまいました。
前半は、秋田犬のハチと、ハチとたまたま駅で出会って飼うことになった大学
教授との、ほほえましい交流が描かれます。
後半は、その大学教授が亡くなり、娘夫婦に引き取られたものの、そこを脱出
して毎日駅でご主人を待つハチのけなげな姿が描かれます。
まさに典型的な感動物語ですが、それを仰々しく描かないのがハルストレム監
督らしいところ。温かな雰囲気の中で、淡々と、そして誠実にドラマを展開さ
せています。
ハチ公物語は、ハチの飼い主に対する忠実さを「忠君愛国」のお手本にしたも
の……という説もありますが、そんなお説教くささもまったくありません。人
間だろうと動物だろうと、愛することの素晴らしさを訴えるヒューマンなメッ
セージが、さりげなく届いてくるだけです。
面白いのが、ハチの視線による映像がたくさん登場するところ（犬は色がわか
らないのでモノクロ映像）。ハチの目を通して周囲の人間を描くことで、彼ら
のハチに対する優しい気持ちや愛情がヒシヒシと伝わってくる仕掛けになって
います。
そして何よりも素晴らしいのがお犬様の演技！ ふだんからユーモラスで温か
な雰囲気を持つ秋田犬ですが、それ以外にも様々な表情を見せてくれます。駅
で主人を待ち続ける表情なんて、切なくてたまりません。犬好きなら確実にノ
ックアウトされるはず。
彼らの前では、リチャード・ギアやジョーン・アレンも形無しです。ていうか
「ハチ〜！」と叫んで犬と戯れるリチャード・ギアは、ただの犬好きのオジサ
ンにしか見えませんから（笑）。
ハチが日本生まれという設定だったり、日系人の主人公の友人が登場したり
（なぜか日本語の長ゼリフもあり）、オリジナルの舞台である日本へのリスペ
クトも感じられます。
そして、ラストではオリジナルのハチ公のプロフィールを紹介して、渋谷のハ
チ公の銅像まで登場させる心憎さ。
こういう素材は、ハリウッドの大作とは一線を画する、小品なれどジワジワく
る作品が持ち味のハルストレム監督にはピッタリの素材だったかもしれません。
まるで一服の清涼剤のような映画で、観終わってポカポカと温かな気持ちにな
れます。
はたして、こういう映画がアメリカでウケるのか。興味津々です。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（ポカポカと温かい気持ちになれる映画。犬好きなら間違いなく楽しめま
す。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年8月8日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の回
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