|
ハンコック（HANCOCK）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間32分）
監督：ピーター・バーグ
出演：ウィル・スミス、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマン、ジ
ェイ・ヘッド、エディ・マーサン
＊ 丸の内ピカデリー1ほかにて全国公開
ホームページ http://www.sonypictures.jp/movies/hancock/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
スーパーパワーで人々を救うハンコック（ウィル・スミス）。だが、あまりの
暴走ぶりで人々から大ブーイングを受けている。そんなある日、ハンコックが
偶然命を救ったＰＲマンのレイ（ジェイソン・ベイトマン）が、正義のヒー
ローとしてのイメージ・アップ計画を持ちかける。最初は気乗りしないものの、
提案を受け入れるハンコックだったが……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
嫌われ者ヒーローの生き直しのドラマかと思ったら、後半は意外な展開に
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もはや純粋まっすぐなヒーロー物語が通用しにくい時代。映画のつくり手たち
は、あの手この手で新たなヒーロー像を生み出そうとしています。
この映画のヒーローのハンコックはなんと嫌われ者。不死身で、空が飛べて、
すさまじい怪力の持ち主。事件が起きればすぐに現場に駆けつけて解決してく
れるスーパーヒーロー。なのに、いつもやり過ぎで、事件の度に周囲へ大損害
を与えてしまいます。しかも、酒浸りで自堕落な暮らし。態度も横柄とくるか
ら、みんなから強烈な非難を浴びているのです。
冒頭で昼間から酔い潰れて、通行人の女性のお尻を触るハンコック。こんなダ
メダメなヒーローが、いまだかつて存在したでしょうか？
ところが、ある日偶然に命を助けたＰＲマンのレイが、彼をみんなから愛され
るヒーローにしようと世話を焼き出したから、さあ大変……。
基本はヒーローが活躍するアクション映画ながら、ダメダメ男の生き直しのド
ラマを展開するユニークな構成。ユーモアもたくさん散りばめられていて、な
かなか見応えがあります。
ただし、奇妙なのがレイの奥さんの態度。いったいそこに何があるのか？ と
思ったら、あらららら、途中からはとんでもない展開が待っています。
ハンコックの正体に関して、驚きの事実が判明。しかも、そこにはレイの奥さ
んが深く絡んできます。普通とは違う人たちの悠久の歴史と、悲恋の物語に突
入！？ うーむ、この展開は予想もしませんでしたね。
それにしても、いろんな要素がゴチャゴチャと詰まっていて、なんだか消化不
良の感じ。もう少しテーマを絞るか、きちんと整理したほうが、伝わってくる
ものがあったと思うのですが……。
手持ちカメラを多用した演出も、この映画にはやや違和感があります。
とはいえ、役者の演技はけっこう楽しめます。これまで何度もヒーローを演じ
たきたウィル・スミスが破天荒なヒーローを演じたのが面白い。しかも、相手
役がシャリーズ・セロン。両者の対決（？）は相当な迫力です。そして、『キ
ングダム／見えざる敵』『ＪＵＮＯ／ジュノ』などで、いい味を出していたジ
ェイソン・ベイトマンもなかなかの演技。
散らかりすぎて、まとまりはないものの、新しいヒーロー像に挑んだユニーク
さは評価できます。アクションもよくできているので、それなりに楽しめるの
ではないでしょうか。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（アクションとユーモア、そしてユニークな設定などで、まずまず楽しめる映
画。もう少し練り上げたら、さらに楽しくなった気も……。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年9月1日（月）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時の回
[「は」のページ] |
|
