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犯人に告ぐ
（2007年 日本）（上映時間1時間57分）
監督：瀧本智行
出演：豊川悦司、石橋凌、小澤征悦、笹野高史、片岡礼子、井川遥、松田美由
紀、崔洋一、 石橋蓮司
＊ シネマスクエアとうきゅうほかにて全国公開
ホームページ http://www.hannin.jp/
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＜ストーリー＞
６年前に起きた誘拐事件の捜査ミスの責任を取らされ、左遷された刑事・巻島
（豊川悦司）。ある日、元上司の県警本部長・曾根（石橋凌）から、川崎市で
起きた連続児童殺人事件の捜査責任者に任命される。巻島は、生放送のニュー
ス番組に出演し、「BADMAN」と名乗る犯人に直接呼びかけるのだが……。
＜レビュー＞
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トヨエツ主演。今どき貴重な（？）スリリングで骨太な本格刑事ミステリー
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なんだか最近ものすごいペースで映画に出まくっているトヨエツの主演映画。
雫井脩介の同名ベストセラー小説の映画化です。
原作を読んでいないので偉そうなことはいえませんが、この手の原作モノとし
ては、よくまとまっているのではないでしょうか。原作を読んでいなくても、
面白さは十分に伝わってきました。
冒頭は、誘拐事件の身代金引渡し現場。人質の家族と犯人との接触を監視する
刑事たち。しかし、二転三転した末に、悲劇的な事件の結末を迎える……。
というわけで、オープニングからスリリングな場面の連続です。みなぎる緊迫
感に、たちまちスクリーンに釘付けになってしまいました。
ところが、実はこの事件は６年前の出来事。事件の責任を取らされた刑事の巻
島は、今は左遷された身。そんな中、連続児童殺人事件が起き、神奈川県警の
捜査が行き詰る。かつて巻島の上司だった県警本部長の曾根は、巻島に捜査責
任者を命じる。巻島はテレビ出演を命じられるが、そこで突然犯人に向かって
直接呼びかける……。
現職の刑事がいきなりテレビに出演して、しかも犯人を挑発するなんて現実に
はありそうもない話。しかし、そんな前代未聞の"劇場型捜査"を巧みに使って、
見応えあるドラマを生み出しています。
まあ、早い話が左遷された巻島の復活劇ではあるのですが、そこに様々な要素
が絡んできます。刑事たちが捜査するのは現在進行形の事件ですが、それと並
行して６年前の未解決事件に関しても少しずつ真実が明らかになります。
警察内部の対立や出世争い、視聴率至上主義に走るテレビ局などが物語の重要
なファクターとして登場し、それぞれの思惑がすれ違うことによって、ドラマ
に厚みが加わっています。
犯人探しと同時に描かれるのは、巻島の心理ドラマ。かつての失地を挽回すべ
く登場した巻島ですが、次第に彼の意図が自らの復活にあるのではなく、「６
年前の落とし前をつける」ことだとわかってきます。
演出も脚本も、いかにも本格派ミステリーらしい力強さにあふれています。そ
して、何よりもトヨエツがカッコいい！ 最初の頃は、そんなに上手い役者だ
と思わなかったのですが、今は間違いなく素晴らしいですねぇ〜。あ！そうそ
う。崔洋一監督が、テレビのキャスター役でいい味を出していましたヨ。
ただし、警察官やマスコミの人間などのセリフが紋切り型だったりして、違和
感もあちこちにありました。特に石橋凌の相変わらずの重たすぎる演技も、個
人的にはちょっと……。
しかし、本格派の刑事ドラマとして見応えはかなりありました。昔は、こうい
うゴツゴツした刑事ドラマって多かった気がするのですが、最近はあまり見か
けなくなりましたねぇ〜。ボク的には、こういうタイプの映画はけっこう好き
なのですが……。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（派手さはないものの、スリリングで本格派の見応えある刑事ドラマ。原作を
読んでいない方でも楽しめると思います。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2007年11月24日（土）シネマスクエアとうきゅうにて。午後1時40分の回。
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