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ホリデイ（THE HOLIDAY）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間15分）
監督・脚本：ナンシー・マイヤーズ
出演：キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジ
ャック・ブラック、イーライ・ウォラック、エドワード・バーンズ、ルーファ
ス・シーウェル
＊日劇ＰＬＥＸほかにて全国公開
ホームページ http://www.holiday-movie.jp/
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＜ストーリー＞
ロンドンの新聞社に勤めるアイリス（ケイト・ウィンスレット）は、今も忘れ
られない元恋人の婚約発表に動揺する。一方、ロサンジェルスで映画の予告編
製作会社を経営するアマンダ（キャメロン・ディアス）は、同棲中の恋人とケ
ンカ別れする。傷心の２人は、インターネットで知り合い、２週間の休暇中に
お互いの家を交換することを約束する。やがて、アイリスはアマンダの仕事仲
間マイルズ（ジャック・ブラック）と、一方のアマンダはアイリスの兄グラハ
ム（ジュード・ロウ）とそれぞれ出会うのだが……。
＜レビュー＞
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ラブコメをおもしろくするお手本のような映画
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「ラブコメなんて」とバカにしてはいけません。ラブコメ好きはもちろん、ラ
ブコメに興味のない人も楽しめる作品に仕上げた、ナンシー・マイヤーズ監督
（『恋愛適齢期』）の見事な手腕が光る映画です。
ロンドンの新聞社勤務のアイリス、ＬＡの映画予告編製作者のアマンダ。遠く
離れた２人がともに失恋し、遠い場所で休暇を過ごそうとお互いの家を交換
（ホーム・エクスチェンジ）。そこで、新しい恋が……。というお話。
ホーム・エクスチェンジというネタはユニークなものの、それを除けば特別に
スゴイお話ではありません。ありがちな２組の恋愛話。
キャメロン・ディアス演じるアマンダは、ジュード・ロウ演じるアイリスの兄
グラハムと出会い、ケイト・ウィンスレット演じるアイリスは、ジャック・ブ
ラック演じるアマンダの仕事仲間マイルズと出会います。いったんダメになり
かかって、結局はうまくいくあたりも、まさに定番の恋模様。
とはいえ、２つの恋を同時進行で描かず、どちらの恋も印象的に見せる工夫が
見事。アマンダはすぐに相手とセックスするものの、その後にあれこれ問題が
起きます。一方、アイリスはけっこう早くに相手と知り合うものの、その後は
あまり進展なし。
なぜなら、アマンダはすでに元同棲相手との関係は切れているのに、アイリス
は元恋人への思いを断ち切れないから。
そこで、アマンダとグラハムの恋と並行して描かれるのはアイリスの恋ではな
く、彼女と隣人の老脚本家とのほほえましい交流。つまり、２組の恋模様とは
いっても、途中まではアマンダの恋ばかりが描かれるワケ。アイリスの恋は後
半のお楽しみ。このあたりの構成が巧みです。
老脚本家に加えマイルズも映画音楽の作曲家ということで、映画ネタもたくさ
ん登場。これがなかなか楽しい。『卒業』を語っている時に、なんとダスティ
ン・ホフマンのホンモノが……。この遊び心がたまりませんねぇ〜。
アマンダの恋の途中で、２人の可愛い女のコたちに重要な役割を任せるあたり
も、心憎い展開です。
テンポも抜群に良いし、セリフもよく練られています。前半のキャメロンの１
人芝居など笑いどころもたくさんあって、ラブ・ストーリーと笑いのバランス
が絶妙。
キャラクターや背景の描き方も的確です。これだけたくさん主要な登場人物が
いるにも関わらず、けっして描写不足にはなっていません。
主要なキャスト４人を最後の最後まで合わさずに、「このまま終わっちゃう
の？」と心配させたところで……という仕掛けもシャレています。誰でも考え
る展開なんですけどね。あざとさとか、非現実性を感じさせないようにつくっ
ているんですヨ。
でもって、観終わると何だかウキウキして、「自分もあんな恋がしたいなぁ」
なんて思わせてしまうという、まさにラブコメの教科書のような映画でした。
なので、映画自体に別にケチをつけるところはないのですが、最大の欠点はど
うしてこれをクリスマス公開にしなかったかということ。これ、絶対にクリス
マス気分で観る映画ですよ。まあ、配給会社にもいろいろ事情があったんでし
ょうけどね。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（隅々まで気を配られた、ラブコメとしては実によくできた映画。ラブコメ好
きでなくてもけっこう楽しめると思います。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年4月1日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時の回
[「ほ」のページ] |
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