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ホノカアボーイ
（2008年 日本）（上映時間1時間51分）
監督：真田敦
出演：岡田将生、倍賞千恵子、長谷川潤、喜味こいし、正司照枝、蒼井優、深
津絵里、吉田玲雄、松坂慶子
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開中
ホームページ http://www.honokaa-boy.jp/
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＜ストーリー＞
レオ（岡田将生）はハワイ島北部のホノカア村で、映画館の映写技師の助手と
して働き始める。ある日、イタズラ好きで料理上手の日系人女性ビーさん（倍
賞千恵子）と出会うレオ。ビーさんは毎日レオを招いて食事をごちそうする。
そんな中、レオはマライア（長谷川潤）という女性を好きになるのだが……。
＜レビュー＞
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ハワイを舞台にしたユーモラスでホンワカしたムードが漂う癒し系映画
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ハワイのホノカアというところを舞台にした癒し系映画です。
女の子にふられて大学を休学した青年が、ホノカアにやってきて映画館で働き
始め、そこで様々な人々に出会って変化していくというお話。
ホノカアで目立つのは高齢者。それも日系人がたくさん住んでいます。みんな
とびっきりユニークな人たちです。イタズラ好きで料理がバツグンに上手い
ビーさん、食いしん坊の映画館主の妻エデリ、ちょっとエッチなコイチさん…
…。そんな個性的な人物たちが生み出す、ユーモラスで、ホンワカ温かな空気
が映画全体を包んでいます。
ロールキャベツをはじめ、ビーさんの作る料理がメチャクチャに美味しそうな
のも、この映画の大きな特徴。同じく癒し系映画の『かもめ食堂』『めがね』
あたりと共通する魅力があります。
この映画を楽しめるかどうかは、やはり独特のユル〜イ雰囲気になじめるかど
うかでしょう。なにせ事件らしい事件はほとんど起きません。後半になって、
主人公が女の子に恋したあたりから多少ドラマチックなところも出てきますが、
淡々と描いていることもあって、それほど盛り上がるわけではありません。
この空気になじめないと、途中で眠くなってしまう人も多そうですね。
それに問題なのは、肝心の主人公の変化がほとんど見えないこと。映画の冒頭
で優柔不断でダメダメな主人公が描かれるのに、それが劇中で変化していかな
いもどかしさを強く感じました。人気ＣＭプランナーの高崎卓馬の脚本、ＣＭ
ディレクターの真田敦の演出ともに物足りない感じです。
そして、最大の問題は、ホノカアを舞台にしている必然性が薄いこと。たとえ
ば、沖縄を舞台にしたドラマには「沖縄ではならない」必然性があるものが多
いのに、この映画の舞台は別にホノカアでなくてもいいように思えてしまいま
す。
たとえば、死者と日常的に交流するような風土とか、ホノカアの持つ土地の力
みたいなものをきちんと描いてくれないと、どうにもしっくりこないものがあ
ります。特にハワイのことをよく知らないボクのような観客には……。
主演は『天然コケッコー』の岡田将生。ビーさん役の倍賞千恵子をはじめ、喜
味こいし、正司照枝などベテランの存在感が光ります。そして、松坂慶子のハ
ジケ方もナイス！
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（物足りないところはたくさんありますが、ホンワカした空気に染まった人は、
それなりに癒されそうです。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年3月14日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分の回
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