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イングロリアス・バスターズ（INGLOURIOUS BASTERDS）
（2009年 アメリカ）（上映時間2時間32分）
監督・脚本：クエンティン・タランティーノ
出演：ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、イーラ
イ・ロス、マイケル・ファスベンダー、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブ
リュールマイク・マイヤーズ、ジュリー・ドレフュス
＊TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://i-basterds.com/
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＜ストーリー＞
1944年、ナチス占領下のフランス。かつてナチスのハンス・ランダ大佐（クリ
ストフ・ヴァルツ）に家族を皆殺しにされた映画館主ショシャナ（メラニー・
ロラン）は、パリで復讐の機会をうかがっていた。一方、アルド・レイン（ブ
ラッド・ピット）中尉率いる連合軍の極秘部隊「イングロリアス・バスター
ズ」は、ナチスを次々と虐殺していた。そんな中、ショシャナの映画館でナチ
スのプロパガンダ映画のプレミア上映が決まり、ヒトラーはじめナチス高官が
集結することになる。そこで、ショシャナとバスターズはそれぞれ行動を開始
するのだが……。
＜レビュー＞
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タランティーノが描く奇想天外で痛快すぎる復讐劇。面白すぎる！！
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タランティーノの映画は相変わらず面白い！ 心を揺さぶられることも、深く
考えさせられることもほとんどないけれど、そんなことは関係ナシ。とにかく
面白すぎます。
オープニングからタランティーノ節が全開です。ナチス支配下のフランスで、
ナチスの大佐が地下に隠れていたユダヤ人家族を皆殺しに。しかし、たった一
人の少女が生き延びます。この少女がやがて映画館主になって、ナチスに戦い
を挑む復讐劇がこの映画の軸。それをマカロニウェスタン風に描いていきます。
ナチスのネタでマカロニウェスタンを描くなんて、タランティーノ以外に誰が
考えるでしょうか？この奇想天外さが素晴らしい！
しかも、そこに絡むのが、アルド・レイン中尉率いる連合軍の極秘部隊。よく
あるナチスものの映画なら、必ず敵は正義の味方。しかし、コイツらはそうで
はありません。完全にブツ壊れた連中ばかり。特にアパッチの子孫を自称する
アルド・レイン中尉は、ナチスの頭の皮をはぐことを楽しみにして、残虐な殺
しを続けています。
ドイツ語、フランス語、イタリア語をクロスさせながら、登場人物たちが大量
のセリフをぶつけ合うところがスリリング。女映画館主のナチスとの会談の
シーン、特殊部隊や女スパイがナチスと渡り合う居酒屋のシーンなど、どれも
見応え十分です。
また、タランティーノの映画にしては、いつもよりバイオレンス・シーンは控
えめです。そのバイオレンス・シーンも、グロさを超越して笑ってしまうのが
タランティーノ映画の面白いところ。今回もナチスの頭の皮をはぐところをリ
アルに描いて、笑わせてくれます。
やがて、女映画館主の映画館でナチスのプロパガンダ映画のプレミア上映会が
行われ、ヒトラーはじめ高官が集結するという、これまた奇想天外な展開。当
然ながら、女映画館主はこの機をねらって復讐を企て、特殊部隊もナチス殺害
を企てます。
クライマックスはもちろん映画館のシーン。そこで上映される2本の映画が凝っ
ています。そして、大炎上＆大爆発の大盛り上がり大会へ……。その間には、
ナチス側の意外な寝返り劇なども巧みに織り込まれます。
映画オタクのタランティーノらしく、今回も映画ネタが満載。しかも、今回は
物語そのものに映画が深く関わるからなおさらです。
役者では、アクの強い役を嬉々として演じるブラピ以上に、ナチスの大佐役の
クリストフ・ヴァルツの演技が絶品。なんでもこの演技でカンヌ映画祭最優秀
男優賞を受賞したとか。女映画館主のメラニー・ロラン、女スパイのダイア
ン・クルーガーなども存在感十分の演技でした。
全体を５章に分けて描いたところや音楽の使い方、エンドロールなどすべてに
おいてタランティーノの世界。『キル・ビル』のような派手さこそないものの、
今回も存分に楽しませてくれました。こういう痛快エンタメ映画はあまりホメ
ない筆者ですが、これだけ面白いのだからしょうがない。降参です。
《ぽちの満足度》
★★★★☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（+1／2★）
（とにかく面白い痛快エンタメ映画です。タランティーノ映画未体験の方も一
度はぜひ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年11月21日（土）新宿ピカデリーにて。午後2時50分の回
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