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インフォーマント！（THE INFORMANT!）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間48分）
監督：スティーヴン・ソダーバーグ
出演：マット・デイモン、スコット・バクラ、ジョエル・マクヘイル、メラ
ニー・リンスキー、ルーカス・キャロル、エディ・ジェイミソン、ラスティ・
シュウィマー、リック・オーヴァートン、トム・ウィルソン、クランシー・ブ
ラウン
＊恵比寿ガーデンシネマほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/theinformant/
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＜ストーリー＞
農業関係の大企業ＡＤＭ社に勤務するエリート社員のマーク・ウィテカー（マ
ット・デイモン）は、ある日、工場で発生したウイルスによる損失の責任を問
われてしまう。ウィテカーは背後にライバル企業の存在があることを上司に報
告し、会社側は恐喝事件としてＦＢＩに捜査を依頼する。ところが、ウィテ
カーは自社の価格協定の陰謀を内部告発し、ＦＢＩの要請で潜入捜査を開始す
るのだが……。
＜レビュー＞
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企業犯罪をめぐるシリアスドラマかと思ったら信じられない方向へ
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1990年代にアメリカで実際にあった経済事件をもとにした映画。監督はステ
ィーヴン・ソダーバーグ、主演はマット・デイモンという『オーシャンズ』シ
リーズのコンビです。
ある大企業でトラブルが発生。責任を追及された担当の若き重役ウィテカーは、
その背後にライバル企業の存在があることを告げます。そこで会社はＦＢＩに
捜査を依頼。ところが、ウィテカーはＦＢＩに対して自社が国際的な価格カル
テルに手を染めていることを報告します（日本の味の素なども実名で登場）。
ＦＢＩは犯罪の立件を目指して、ウィテカーに潜入捜査を要請。ウィテカーは
それを受け入れます。
というわけで、途中までは価格カルテルをめぐる潜入スパイのお話。ただし、
正義の味方の主人公が、巨悪に立ち向かうシリアスな話だと思ったら大間違い。
主人公のウィテカーときたら、何やらアヤシイ雰囲気が漂っています。スパイ
を引き受けた動機は正義感からではなく、それによってヒーローになって出世
できると考えたから。しかも、途中で一度は協力をやめたり、ＦＢＩにも平気
で嘘をつく始末です。
そんな主人公によるスパイ劇を、ソダーバーグ監督はユーモラスに、テンポよ
く描いていきます。会合の最中にスパイ用の録音機材をチェックする主人公の
素人スパイぶりなど、笑える場面がたくさんあります。スタイリッシュな感じ
もあって、全体のタッチは『オーシャンズ』シリーズにも似ています。
やがて、どうにかこうにか立件できそうなところまでいき、主人公もひと安心。
かと思ったら、そこからはとんでもない方向へ物語が展開していきます。まさ
か、まさかの展開です。ネタバレになるので詳しくは言いませんが、主人公に
は大きな秘密があって、それが少しずつ明らかになってくるのです。
この映画は主人公の独白によって進行します。最初のうちそれが邪魔にも感じ
たのですが、だんだんわかってきました。主人公の言っていることは、最初か
らずっと胡散臭いんです。それを伝えるのに、この独白が重要な役割を果たし
ていたわけです。
ついには主人公の出生の真相まで明らかになるに至っては、もはやあきれるし
かありません。何なんだ？コイツは……。劇中のＦＢＩ捜査官同様に、観客も
煙に巻かれてしまいそうです。最後には苦笑するばかりでした。
主人公を演じたマット・デイモンのなりきりぶりも見事。体重を大幅に増量し
て、最後には髪の毛まであんなにして、ワケのわからん人物を演じきっていま
す。
それにしても、ある程度の創作や誇張はあるにしても、本当にこんな人がいた
というのがスゴイ。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（+1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（企業犯罪をめぐるスパイものかと思ったら、途中から予想外の展開に。ユ
ニークで笑える映画です。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年12月5日（土）シネマスクエアとうきゅうにて。午後2時の回
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