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犬と私の１０の約束
（2008年 日本）（上映時間1時間57分）
監督：本木克英
出演：田中麗奈、加瀬亮、福田麻由子、佐藤祥太、池脇千鶴、相築あきこ、布
施明、ピエール瀧、高島礼子、豊川悦司
＊丸の内ピカデリー2、渋谷シネパレスほかにて全国公開
ホームページ http://www.inu10.jp/
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＜ストーリー＞
北海道・函館。14歳の少女あかり（福田麻由子）は、ある日、庭に迷い込んだ
ゴールデンレトリバーの子犬を「ソックス」と名付けて飼い始める。病気で入
院中の母は、彼女に「犬の十戒」を教える。やがてその母が亡くなり、父親の
祐市（豊川悦司）とソックスとの暮らしが始まる。７年後、あかり（田中麗
奈）は大学生に成長し……。
＜レビュー＞
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ジンワリとくる松竹伝統の人情ドラマ。犬好きでなくても楽しめます
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かわいいゴールデンレトリバーと少女との交流を綴った、犬好きのための感動
ドラマ！！！
なのかと思ったら、そうではありませんでした。犬と飼い主の約束として世界
中で知られる「犬の十戒」をネタにしてはいるものの、犬はあくまでも登場人
物の一人、いや一匹です。
母が病死し、医師である父と娘、そして愛犬ソックスという２人と１匹の10年
間を描いたドラマ。その本質はジンワリと心に染みる人情ドラマです。
ほかでも誰かが書いていましたが、松竹伝統のタッチなんですよ。これといっ
た悪人も、超人も出てこなくて、どこにでもいるごく普通の市民の暮らしをし
みじみと描いています。『釣りバカ日誌』などでおなじみの松竹生え抜きの本
木克英監督らしい映画です。
感動を押し売りすることもなく、淡々とユーモアを交えながら、家族の日常を
描いています。娘のために出世をあきらめて家事を覚える父。父を助けながら、
獣医師への夢に向かって進む娘。そしてやがてひとり立ちして恋をする娘。も
ちろん、この家族にも波風はあります。そのそばには、いつもソックスがいる
のです。
強引に泣かせようとするところもなく、描写はあくまでも抑制的。どこの家庭
にでもありそうなことばかりなので、誰でも素直に感情移入できます。
さすがにソックスが寿命を迎えるシーンはウルウルきますが、それとてけっし
て仰々しい描き方はしていません。そのさりげなさが逆に涙を誘うのです。
ただし、後半になって成長したあかりと、幼なじみのギタリスト進との恋ばか
りが描かれるのはどうなんでしょうか？ もう少し父と娘の関係も描いてほし
かったのですが……。
ラストが結婚式というのもありがちですが、父と娘のドラマという視点に立て
ば妥当なところかも。ちなみに、そのシーンで風が吹くのを見ていたら、韓国
映画『僕の彼女を紹介します』を思い出してしまいました。やっぱり死んだら
みんな風になるのね。
父を演じる豊川悦司と成長したあかり役の田中麗奈に加え、あかりの少女時代
を演じた福田麻由子が見事な演技。このコ、良いものを持ってますねぇ。将来
が楽しみです。少ししか登場しないけど、池脇千鶴も相変わらず存在感があり
ます。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（松竹伝統の人情ドラマ。派手さはないけれどジンワリした感動に浸れます。
犬好きならずとも楽しめそう。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年3月18日（火）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時45分の回
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