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Ｋ−２０ 怪人二十面相・伝
（2008年 日本）（上映時間2時間17分）
監督・脚本：佐藤嗣麻子
出演：金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼、高島礼子、本郷奏多、今井悠
貴、益岡徹、鹿賀丈史
＊日劇2ほかにて全国公開
ホームページ http://www.k-20.jp/
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＜ストーリー＞
1949年、第二次世界大戦を回避し、一部の特権階級が富を独占する社会となっ
ていた日本の都市、帝都。そこでは、金持ちだけを狙って盗みを働く怪人二十
面相、通称"Ｋ−２０"が出没していた。ある日、サーカス団に所属する天才曲
芸師・遠藤平吉（金城武）は、見知らぬ男から羽柴財閥の令嬢・羽柴葉子（松
たか子）と名探偵・明智小五郎（仲村トオル）の結納の写真撮影を依頼される。
しかし、それは二十面相の罠だった……。
＜レビュー＞
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笑いとアクションが詰まった、お正月らしいひたすら楽しい映画
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怪人二十面相というから江戸川乱歩の原作かと思ったら、彼が生み出した世界
を使った北村想の小説が原作だそうです。
時代は1949年、場所は第二次世界大戦が回避された日本の都市。ならば世の中
はハッピーかといえばそうではなく、極端な階級制度が敷かれ、貧富の差が拡
大。そこに登場したのが怪人二十面相。その二十面相に罠にはめられ、間違っ
て逮捕されたサーカス団の青年が、無実を証明するためにホンモノを追うとい
うお話。
主人公ＶＳ二十面相の追跡劇をはじめアクションシーンが満載。日本映画には
珍しい大迫力です。
そして、笑いもタップリ。主人公と周囲の人々がつくり出す笑いは爆笑の連続。
特に笑えるのが松たか子演じる財閥令嬢のハジケた行動。「両家の子女のたし
なみ」として武道はもちろん、小型ヘリまで操縦しちゃうのだからいやはや。
見事なコメディエンヌぶりです。
さらに、主人公をサポートする泥棒夫婦（國村隼、高島礼子）なども、楽しい
笑いを振りまきます。
中盤以降の大きなポイントとなるテスラ装置、バベルの塔の絵など、アイテム
の使い方も効果的。
監督・脚本は『アンフェア the movie』などの脚本でも知られる佐藤嗣麻子。
過去にも監督作品はありますが、ここまで大仕掛けのエンタメ映画の監督は初
めて。それにしてはよく頑張っています。
この映画の大きな要素を占めるＶＦＸに、『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴
が協力しているのも、良い結果をもたらしているのかもしれません。レトロな
世界が見事に表現されています。
エンタメ映画として、これだけ完成度の高い映画はそんなにありません。お楽
しみの要素をキッチリそろえて、誰でもそれなりに楽しめる映画に仕上げてい
ます。
とはいえ、ドラマ的には見るべきものはありません。展開がお手軽だし、深み
もありません。超格差社会とか、ドラマとしていくらでも面白くなりそうなネ
タが転がっているのに残念です。主人公と令嬢の恋愛模様も中途半端。
なので、観終わってもあとに残るものは何もありませんが、観ている間はかな
り楽しいエンタメ映画。お正月にはピッタリかもしれません。
それにしても、金城武は日本人役をやっても、セリフが自然でまったく違和感
がなくなりましたね。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（アクションと笑いがバランスよく配置された冒険活劇。あとに残るものはな
いけれど、楽しいのは間違いなし。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2008年12月23日（火）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時の回
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