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かけひきは、恋のはじまり（LEATHERHEADS）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間53分）
監督：ジョージ・クルーニー
出演：ジョージ・クルーニー、レニー・ゼルウィガー、ジョン・クラシンス
キー、ジョナサン・プライス、ウェイン・デュバル、スティーヴン・ルート
＊ 11月8日（土）より、日比谷みゆき座ほかにて全国公開予定
ホームページ http://www.kakekoi.com
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＜ストーリー＞
1925年のアメリカ。経営難から解散の危機に直面したプロフットボールチーム
のベテラン選手ドッジ・コネリー（ジョージ・クルーニー）は、チーム再建の
切り札として大学フットボールのスター選手カーター・ラザフォード（ジョ
ン・クラシンスキー）を勧誘する。一方、新聞記者のレクシー・リトルトン
（レニー・ゼルウィガー）は、戦場の英雄でもあるカーターの暴露記事を書く
ように編集長に命じられるのだが……。
＜レビュー＞
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古き良き時代の香りが漂うオシャレなコメディ
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ジョージ・クルーニーの『コンフェッション』『グッドナイト＆グッドラッ
ク』に続く監督第３作。今回は自ら主演も務めています。前２作は、かなり社
会性の強い映画でしたが、今回は一転して恋愛模様を織り込んだ、ライトなコ
メディにチャレンジしています。
舞台となるのは1925年頃のアメリカ。プロのアメリカンフットボールチームの
ベテラン選手ドッジが主人公。当時のアメフトは今とだいぶ違って、ヘルメッ
トは皮の帽子、防具も今のような重装備ではありません。
そして、決定的な違いは、大学の試合は人気があったものの、プロはかなりお
粗末な状況だったこと。ビジネスとしても成立していないし、まともな人間が
入る世界ではないと思われていました。
そんな中、ドッジのチームも解散の危機を迎え、起死回生の切り札として大学
のスター選手カーターをスカウト。おかげで、チームは人気急上昇。
一方、戦場の英雄でもあったカーターが、「実はそんなに活躍していなかった
のでは？」という疑念が持ち上がり、新聞記者のレクシーが暴露記事を書くこ
とを命じられます。取材のためにカーターに接近するレクシー。そこでドッジ
とも知り合い、３人の間で恋の駆け引きが……。
というわけで、邦題を見ると、ガチガチの恋愛映画のように思えますが、実際
はそれほど単純な映画ではありません。もちろん恋愛は描かれるものの、それ
以外にも様々な魅力を持つ映画です。
特に前面に登場するのが古き良き時代のアメリカ。現在のように巨大なビジネ
スシステムに組み込まれていないユル〜いアメフトチームは、かなりデタラメ
だけれど、人間臭くて魅力的です。登場する人々も大らかで、なんだかとって
も面白い。
そんな時代を、ジョージ・キューカー、ルイス・マイルストン、ビリー・ワイ
ルダーといった監督たちの1930〜40年代のコメディー映画を意識して、描き取
ったのがこの映画。ドッジとレクシーが警官に追われて逃げるところなどは、
いかにもあの頃のコメディ映画の雰囲気がプンプンしますねぇ〜。
オシャレで小粋なムードも魅力的。衣装やセット、音楽など、細部までこだわ
りぬいて、当時を再現しています。
会話の面白さもこの映画の大きな魅力。特にドッジとレクシーの会話は、まさ
しく丁々発止のやり取り。ウィットに富んでいて、ついつい引き込まれてしま
います。
クライマックスは、泥だらけのアメフトの試合。本当に泥まみれの壮絶な試合
なのですが、そこでドッジが使う作戦が傑作です。ドッジとレクシーがバイク
に乗るラストシーンも粋ですねぇ〜。
ジョージ・クルーニー、レニー・ゼルウィガーに加え、若いジョン・クラシン
スキー、ベテランの演技派ジョナサン・プライスも好演。
それにしても、どうしてジョージ・クルーニーはこの時代を描いたのか？ 第
一次世界大戦の後とはいえ、まだベトナム戦争も、イラク戦争も、テロの恐怖
も遠かった時代。夢いっぱいで、人間臭い時代を、現代のギスギスした時代と
対比させたかったから……というのは、きっと深読みでしょうね。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（古き良き時代の香りが漂う粋なコメディ。恋愛映画というイメージに縛られ
ずに観たほうが楽しめるかも。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2008年8月13日（水）東宝東和試写室にて。午後3時30分より
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