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かもめ食堂
（2005年 日本）（上映時間１時間41分）
監督：荻上直子
出演：小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・ニエミ、タリア・マ
ルクス、マルック・ペルトラ
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.kamome-movie.com/
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＜ストーリー＞
サチエ（小林聡美）は、フィンランドのヘルシンキで「かめも食堂」という小
さな食堂を始める。おにぎりを看板メニューに、フィンランドの人にも日本食
のおいしさを伝えたいと張り切るが、お客はほとんど来ない。それでもめげず
に営業を続けるサチエは、やがてミドリ（片桐はりい）とマサコ（もたいまさ
こ）という２人の日本人女性と出会うのだった……。
＜レビュー＞
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フィンランドを舞台に、ゆるくて、のんびりした雰囲気が漂う癒しの映画
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フィンランドで日本人女性が始めた食堂を舞台に、ゆるくて、のんびりした雰
囲気が全編に漂う映画。観ているだけで心がポカポカしてきます。
（⌒―⌒）
森と湖の国フィンランドという舞台設定がいいですねぇ。そういう大自然を描
いたシーンはほとんどないのですが、空気だけでいかにものんびりした感じが
してきます。
群ようこが映画のために書き下ろしたオリジナル・ストーリーが原作。
ヘルシンキで日本食にこだわった食堂を開くサチエ。旅行にやってきて店を手
伝うようになったミドリ、同じく旅行に来たものの空港で荷物が見つからず、
そのまま店を手伝うようになったマサコという３人の日本人女性、そして店に
出入りする客たちの人間模様を描きつつ、最初は閑古鳥が鳴いていた店が繁盛
するまでのドラマが展開されます。
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこという３人の個性が絶妙のハーモニーを
奏でます。スローで、コミカルで、飄々としていて……。大した出来事も起き
ないのに、観ているうちに思わず笑顔になって、何だか心がポカポカしてくる
んですヨ。
店の客たちもユニークです。日本オタクの青年とか、夫に逃げられた女性とか、
なんだかとっても良い感じ。
３人の日本人女性にも、いろんな波乱のドラマが隠れているようですが、あえ
て深くは追求しません。チラッと見せるだけで、「この町に来る人は、みんな
癒されて元気になるんだヨ」というところに落とし込んでいるんです。このあ
たりの持って生き方が見事ですねぇ。
監督は『バーバー吉野』『恋は五・七・五！』の荻上直子監督。
何よりホンワカした雰囲気のつくり方がウマイですよ。この監督。クレジット
を見たらけっこう現地スタッフ（役者も含めて）が多いのに、それをまとめて
自分色に染めているんですから。キャストやストーリーを聞いただけで、「こ
ういう映画になったらステキだろうな」というのを、そのまま実現しちゃって
るんですよね。
ラストに流れる井上陽水の「クレイジーラブ」もこの映画の雰囲気にピッタン
コ。いつまでも耳に残ってしまいます。
前半は店がガラガラということで、料理もあまり登場せずにコーヒーばかりな
んですが、後半になるにしたがって、美味しそうな料理がたくさん登場するの
も見どころ。特に美味しそうなおにぎりには思わずヨダレ。 （＾¬＾）ジュ
ル．．．
ただ、せっかくそのおにぎりをメインにした食堂なのに、シナモンロールが繁
盛のきっかけというのはどうなんでしょう。そこは何とかして欲しかったかな。
冗長なシーンが多いという評価もあるようですが、それはボクはこの監督独特
の間だと思うんですけどね（他の作品を観ていないから何とも言えないけど）。
その間がこの映画には合っている感じがしました。こういう間って、うまくシ
ンクロすると、けっこう好きになるんじゃないでしょうか。
のんびり、のびのび、前向きで、ホンワカした気持ちになれること間違いナシ
の映画です。ある種の癒しの映画といってもいいかもしれません。癒されたい
方はぜひどうぞ。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（ホンワカしたムードがたまらない映画。疲れた方には特にオススメ）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年４月15日（土）シネ・リーブル池袋にて。午後３時の回。
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