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レディ・イン・ザ・ウォーター（LADY IN THE WATER）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間50分）
監督・脚本・出演：Ｍ・ナイト・シャマラン
出演：ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、フレディ・ロド
リゲス、ジェフリー・ライト、ボブ・バラバン、サリタ・チョウドリー
＊サロンパス ルーブル丸の内、渋谷ＴＯＥＩほかにて全国公開中
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/ladyinthewater/
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＜ストーリー＞
掃除や壊れた設備の修理などをして、淡々とした日々を過ごしていたアパート
の管理人クリーブランド・ヒープ（ポール・ジアマッティ）は、ある晩、プー
ルで謎の女と出会う。ストーリー（ブライス・ダラス・ハワード）と名乗る彼
女は、おとぎ話に登場する精霊で恐ろしい怪物に追われ、中庭のプールに身を
潜めていたのだった。クリーブランドはアパートの住人たちと協力し、彼女を
元の世界へ戻してあげようと奔走するのだが……。
＜レビュー＞
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シャマラン監督が贈るおとぎ話。でもやっぱりダークで怪しい……
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『シックス・センス』『サイン』のＭ・ナイト・シャマラン監督作品。この監
督の映画とくれば、超常現象などの不思議な現象が素材になるわけで、今回も
ミステリアスなお話です。
といっても、今回はミステリーやサスペンスというよりはファンタジー。平凡
な日々を送るアパート管理人の男が、プールから現れた精霊と遭遇し、アパー
トの住人たちと協力して彼女を元の世界へ帰してあげようとする物語です。
ミステリーやサスペンスなら、ストーリーと名乗る女性の正体をなかなか明か
さないところですが、この映画では中国系親子が語るおとぎ話から精霊である
ことがすぐに判明します。それによって「これはファンタジーなんだ！！！」
ということが頭に焼き付けられるので、ウソくささが鼻につくこともありませ
ん。
おもしろいのは、精霊を見つけたアパート管理人のヒープだけでなく、人種も
職業もバラバラのアパート住人たちが協力して彼女を元の世界に返そうとする
ところ。しかも、おとぎ話では、「守護者」「記号論者」「職人」といった登
場人物が重要な役どころを務めるため、「それぞれの役は誰なんだ？」という
キャラクター探しの楽しさもあります。
ヒープには家族を殺された過去があって、それがストーリーを助ける動機付け
になるなど、登場人物それぞれのキャラクターをうまく生かした構成も魅力が
あります。
とはいえ、基本的には子供向けのファンタジーですね。シャマラン監督が自分
の子供のために考えた話がネタ素らしいし。
ストーリーを狙うバケモノが登場して、危機一髪の場面が登場するのも、これ
また子供たちを喜ばせそうな展開。
いつものシャマラン映画なら、最後には必ずドンデン返しが用意されています
が、今回はそれもありません。おとぎ話の最後にビックリさせたら、子供たち
が眠れなくなっちゃうから、なのかどうかは知りませんけど。
ラストに流れるボブ・ディランの「時代が変わる」が、親子のささやきのよう
なアレンジで、いかにもおとぎ話の締めくくりにふさわしい感じです。
ただし、全体を包む雰囲気はやっぱりシャマラン流。ミステリアスで、どこか
ダーク。何気ないシーンにも怪しさと不気味さが漂っていて、けっして明るい
ファンタジーではありません。ちなみに、ウォン・カーウァイ映画でおなじみ
のクリストファー・ドイルが撮影監督を務めています。
俳優陣には超スターはいないものの、ヒープ役のポール・ジアマッティ、ス
トーリー役のブライス・ダラス・ハワードをはじめ、個性派が揃っています。
正直なところエンタメ度は低いし、派手さもまったくなくて、途中で眠気を催
すところもありました。捨てがたい魅力を持った映画だとは思うものの、スク
リーンにググッと引き込まれるところまではいきませんでした。良いお話では
あるんですが……。
それにしても、シャマラン監督は幸せな人。過去の実績があるとはいえ、こん
なジミな映画をつくることを許してもらえるんだから。しかも、過去はチョイ
役でのご出演だったのに、今回は準主役級の役で出ずっぱりだもん。まさか次
は主役を狙ってる？
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（いかにもシャマラン監督らしいおとぎ話。しかし、過去の作品とはかなり違
うので、そのつもりでご覧ください）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年9月30日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時45分の回
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