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リトル・ミス・サンシャイン（LITTLE MISS SUNSHINE）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間40分）
監督：ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
出演：グレッグ・キニア、トニ・コレット、スティーヴ・カレル、アラン・
アーキン、ポール・ダノ、アビゲイル・ブレスリン
＊シネクイント、シネ・リーブル池袋ほかにて公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/lms/
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＜ストーリー＞
アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、父リチャード（グレッグ・キニア）、母
シェリル（トニ・コレット）、長男ドウェーン（ポール・ダノ）、その妹オ
リーヴ（アビゲイル・ブレスリン）、そして祖父（アラン・アーキン）の５人
暮らし。だが、それぞれに問題を抱え崩壊寸前。さらに、自殺未遂をした伯父
フランク（スティーヴ・カレル）まで加わる。そんな中、娘のオリーヴに美少
女コンテスト出場のチャンスが訪れる。一家は旅費節約のため、オンボロ・ミ
ニバスに乗り込み家族揃って開催地のカリフォルニア目指して出発するのだが
……。
＜レビュー＞
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最初から最後まで笑いっぱなし。家族再生のロード・ムービー
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ダメダメ家族によるコメディー仕立てのロード・ムービー。第19回東京国際映
画祭で監督賞、主演女優賞、監督賞に輝いた映画です。
まあとにかく全編が笑いに満ちた映画です。何しろ登場人物のキャラクターが
強烈なんです。
主人公のダメダメ一家。
父リチャードは、「人生は勝ちと負けしかない！」てなことを主張して、独自
の成功論を売り込んでいるものの、どうもうまく行っている感じではない。長
男ドウェーンは願掛け中だとかで完全沈黙。会話が必要な時は筆談する始末。
その妹９歳のオリーヴはミスコン優勝を夢見るブッ飛び娘。そして、祖父は老
人ホームを追い出されたヘロイン常習者、しかもエロじじい。さらに、そこに
加わるのがゲイで自殺未遂した伯父フランク。唯一まともなのは母のシェリル
ぐらいでしょうか。
この一家のヘンな行状を見ているだけで、かなり笑えてしまうのです。
そんな中、オリーヴがカリフォルニアの美少女コンテスト（タイトルの「リト
ル・ミス・サンシャイン」は、このお子ちゃまミスコンの大会名）に出場する
ことになったからさあ大変。結局家族全員でボロボロのミニバスに乗り込んで、
一路カリフォルニアを目指すことになるのでした。
ところが、バスは早々にギアが壊れ、押し掛けしないと走らないという困った
状況。バスを押しながら１人ずつ飛び乗るその姿にまた爆笑。
てことで、この珍道中で起きるアレコレを描いているのですが、ホント、全編
笑いっぱなしです。特にお世辞にも美人とはいえないメガネ娘のオリーヴが、
いい味を出してます。彼女とイカレ祖父（演じるは大ベテランのアラン・アー
キン）とのコンビが、微笑ましくもオバカです。
やがてそのイカレ祖父の身にとんでもないことが起きて、それがまた笑いのタ
ネになるのでした。
クライマックスは例のお子ちゃまミスコンなのですが、これがもう最高！！！
オリーヴが祖父と秘密特訓した踊りを披露するのですが、いやいやバカです。
ホントにオバカです。どんな踊りかはぜひご自分の目でどうぞ。
もちろん家族再生のドラマということで、ただ笑えるだけでなく、ホロッとさ
せるところもあるし、観終わると心がホカホカしてきます。
監督のジョナサン・デイトン＆ヴァレリー・ファリスは夫婦だそうです。彼ら
の演出もいいけれど、マイケル・アーントの脚本がいいですよね。
ちょっと笑いに走りすぎかなという気はするものの、エンタメ性は十分だし、
その中で家族再生のドラマをきちんと描いているので、誰でも楽しく観られる
はず。
ついでに、「人生は何が何でも勝たなきゃ！」てなアメリカ的考え方や、子供
の頃からミスコンに必死になるアメリカ人の行動を皮肉ったところもあって、
けっこうシニカルなスパイスも効いてます。
しかし、自分の家族がこんなだったら真っ先に家出するな。きっと（笑）。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（笑って心が温かくなる。これぞまさにハートウォーム・コメディー。どなた
でも楽しめると思います。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年12月23日（土）シネ・リーブル池袋にて。午後2時20分の回
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