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ロフト．（LOFT）
（2008年 ベルギー）（上映時間1時間57分）
監督：エリク・ヴァン・ローイ
出演：ケーン・デ・ボーウ、フィリップ・ペーテルス、マティアス・スクナー
ルツ、ブルーノ・ファンデン・ブロッケ、ケーン・デ・グラーベ、ベルル・
バーテンス
＊シネマ・アンジェリカにて公開
ホームページ http://www.loft-m.jp/
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＜ストーリー＞
建築家のビンセントは、友人のマルニクス、ルク、クリス、フィリップの４人
に、彼が所有する新築マンション最上階のロフトルームを情事部屋として共有
しようと提案する。ところがある朝、ルクがその部屋でベッドに手錠をかけら
れ血まみれで死んでいる女を発見する。慌てて集まった５人の男たちは、互い
のアリバイを探りながら、犯人探しを始めるのだが……。
＜レビュー＞
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あっと驚くどんでん返しが楽しい。スリリングなベルギー製サスペンス
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ベルギー映画といえば、『ある子供』『ロルナの祈り』などのダルデンヌ兄弟
が有名ですが、こちらはそれとは対照的なエンタメ映画。
５人の男たちが、新築マンションの最上階のロフトを不倫用に共有。ところが、
ある日、その部屋で女性が手錠をかけられ、血まみれで死んでいるのが発見さ
れる。いったい誰の犯行なのか？ という謎解きのサスペンスです。
オープニングに登場するのは、ある男がビルから落下するシーン。これが事件
の真相に大きく関わってきます。
その後は、警察での取り調べシーン。その合間に、ロフトに集まった男たちが
死体を前に疑心暗鬼で誰の犯行か推理するシーンが登場。さらにロフトを共有
し始めてから事件が起きるまでの出来事なども織り交ぜて、時間を行きつ戻り
つしながら描いていきます。そこには、真相につながる様々なヒントが散りば
められています。
まあ、とにかく誰も彼もが怪しいのが、この手の映画らしいところ。５人の男
たちはもちろん、その家族や不倫相手まで、誰が犯人でもおかしくない感じで
す。
５人の男たちのキャラクターが立っているのも魅力です。建築家で野心家のビ
ンセント、精神科医で良識的なクリス、彼の腹違いの弟でいかにも危険なフィ
リップ、大酒飲みで女に弱いマルニクス、病気の妻を持つ物静かな男ルク。い
ずれも個性的な面々です。
犯行現場にあった血で書かれたラテン文字、血のついたナイフ、切られた警報
機など道具立てもバッチリ。暗めでミステリアスな雰囲気の漂う映像も見応え
があります。
中盤は、５人の妻帯者たちの不倫劇が中心なので、「しょーもないなコイツ
ら」などと思ってしまいましたが、そこにも事件の真相につながるネタが転が
っているので要注意。
後半になると、盗撮というアブナいネタも加わって、二転三転する展開。殺さ
れた女の正体など、チラチラと小出しにしながら、観客を煙に巻いていきます。
そして、クライマックスで明かされる意外な真相。やれやれ、これで決着かと
思ったら、どうもようすがおかしいではありませんか。そしてラストに待って
いたのは、さらなるどんでん返〜〜し！！！！！
真犯人はまさかの人物です。そこでオープニングのシーンとつながり、パズル
のピースがすべて埋まります。
謎解き映画としては、脚本・演出ともかなりの出来。ベルギー国内で、ハリウ
ッド映画を向こうにまわして大ヒットしたというのも納得のスリリングなエン
タメ映画です。
あえていえば、犯人の動機が弱いのが不満かな。最後の１年後の後日談も必要
なかったかも。
つくり手が意図したかどうかはわかりませんが、観終わると、「不倫するとと
んでもないことになるヨ〜」という教訓めいたところが感じられるのが面白か
ったです。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（謎解きサスペンスとしてなかなかよくできています。あっと驚くどんでん返
しが楽しめます。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年10月5日（月）松竹試写室にて
（田中ひろあき（ぽち））
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