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曲がれ！スプーン
（2009年 日本）（上映時間1時間46分）
監督：本広克行
出演：長澤まさみ、三宅弘城、諏訪雅、中川晴樹、辻修、川島潤哉、岩井秀人、
志賀廣太郎、寺島進、松重豊、甲本雅裕、三代目魚武濱田成夫、平田満、木場
勝己、ユースケ・サンタマリア、升毅、佐々木蔵之介
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://magare-spoon.com/
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＜ストーリー＞
超常現象バラエティ番組「あすなろサイキック」のＡＤ桜井米（長澤まさみ）
は、番組の企画でエスパー探しの旅に出たものの、失敗ばかりで何の成果もな
かった。ところが、最後の取材で訪れた喫茶店「カフェ・ド・念力」には、本
物のエスパーたちが集結していた。突然の米の出現にエスパーたちは大慌てで、
自らの能力を悟られないように必死にとりつくろうのだが……。
＜レビュー＞
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マヌケなエスパーたちと駆け出しＡＤのハートウォームなコメディー
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人気劇団「ヨーロッパ企画」の舞台劇を『踊る大捜査線』シリーズの本広克行
監督が、映画化しました。本広監督は、2005年にも「ヨーロッパ企画」の舞台
『サマータイムマシン・ブルース』を映画化しています。
超常現象を取り上げるバラエティ番組のＡＤの桜井米が、上司に命じられてエ
スパー探しの旅に出ます。そして、収穫のないまま最後に訪れたのが「カフ
ェ・ド・念力」という喫茶店。そこでは、本物のエスパーたちがクリスマス・
パーティーを開催していました。しかし、米に自分たちがエスパーであること
を知られたくない彼らは、あの手この手で秘密を守ろうとします。
物語の中心になるのは喫茶店「カフェ・ド・念力」。ただし、前半は長澤まさ
みが演じるＡＤの米はそこには登場しません。５人のエスパーと彼らの理解者
のマスター、そして米と待ち合わせしているニセのエスパーが、いかにも舞台
劇らしい芝居を展開します。テンポ良く次々にセリフをぶつけ合うのですが、
残念ながらあまり笑えません。うーん、筆者の笑いのツボとは微妙に違うのか
しら。舞台ならもっと笑えるのかもしれませんが。
一方、その間もエスパー探しを続けるＡＤ米のシーンには、強烈なキャラが登
場。寺島進が演じる「へっちゃら男」という自称エスパーです。これがとんで
もないヤツで、むしろこっちのほうが笑えたりして。
後半になると、いよいよＡＤ米が「カフェ・ド・念力」に登場。彼女のポケッ
トにキケンなものがあるのを発見したエスパーたちが、自分たちがエスパーだ
と悟られずに対処するにはどうしたらいいのか頭を悩ませます。そのあたりか
らは、けっこう笑えるようになりました。エスパーたちが、みんなハンパでマ
ヌケなのも効果的です。
クライマックスは、エスパーたちが米にあるプレゼントをします。大した仕掛
けではありませんが、ほほえましい展開です。
しかし、ラストのアレはどうなんだ？？？ 仰々しい割にはあまり意味がない
気もします。もっと何か違う結末を用意したほうがよかったのでは？
それに、せっかくなら、ＡＤ米の人間ドラマをもっと描いてほしかったと思い
ます。オープニングを見て、「彼女の成長のドラマを描くに違いない」と確信
したのですが、期待したほどのドラマではありませんでした。あれでは、ただ
超能力を信じるかどうかという次元の話で、彼女の人生へと波及するものがあ
りませんからね。
そもそもこの舞台劇を映画にする必然性はどこにあったのでしょうか？映画的
なアプローチもあまり感じられないし、舞台の面白さもそれほど伝わってきま
せんでした。せっかく映画にするなら、もっと違うアプローチにして欲しかっ
たなぁ。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）
（個人的には物足りなく感じましたが、そこそこ笑えて、心が温かくなるのは
確かです。長澤まさみもこういうコメディーが似合っています。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年11月23日（月）シネマ・ロサにて。午後5時15分の回
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