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ザ・マジックアワー
（2008年 日本）（上映時間2時間16分）
監督・脚本：三谷幸喜
出演：佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行、小日向文世、
寺島進、戸田恵子、伊吹吾郎、浅野和之、市村萬次郎、柳澤愼一、香川照之
＊日劇3ほかにて全国公開
ホームページ http://www.magic-hour.jp/
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＜ストーリー＞
港町・守加護（すかご）を牛耳るギャングのボス天塩（西田敏行）の愛人マリ
（深津絵里）に手を出してしまった備後（妻夫木聡）は、命を助けてもらう代
わりに伝説の殺し屋デラ富樫を連れて来ることを命じられる。困った備後は売
れない役者の村田（佐藤浩市）を雇い、映画撮影だとだまして殺し屋を演じさ
せるのだが……。
＜レビュー＞
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三谷幸喜らしい、ひたすら笑える楽しい映画
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『ラヂオの時間』『ＴＨＥ 有頂天ホテル』の三谷幸喜監督の新作。いかにも三
谷監督らしい楽しいコメディ映画です。
ボスの愛人を寝取った男が、命と引き換えに伝説の殺し屋を連れてくるように
命じられ、困った挙句に、売れない役者を殺し屋に仕立てて連れてくるという
お話。
とにかく笑いの連続です。舞台となる街の名前からして、守加護（すかご）と
いうのだから人を食っています。現実には絶対にあるはずのない街で、あるは
ずのない荒唐無稽な話が展開するわけですが、そのへんのウソを気にしなけれ
ばかなり楽しめます。
殺し屋に仕立てられた村田という役者は、自分は映画の撮影で演技をしている
と思い込んでいます。それに対してギャングのボスや手下たちは、彼が本物の
殺し屋だと思い込んでいます。そのギャップを利用した笑いは、まさに抱腹絶
倒。
役者が嬉々として演じているのも目立ちます。特に売れない役者役の佐藤浩市
が、見るからに楽しそうにハジケた演技を披露。ナイフをなめまくってスゴむ
シーンなど、おかしくてたまりません。
ボス役の西田敏行、手下役の寺島進、マネージャー役の小日向文世をはじめ脇
役陣の演技も魅力。往年のスターの晩年を演じる柳澤愼一など、シブいキャス
トですねぇ〜。戸田恵子の「これでもかッ！」というド派手な衣装と厚化粧に
も笑わされました。
映画好きの三谷監督らしく、映画ネタも満載です。故市川崑監督に自ら登場し
てもらってその演出風景を描いたり、古くは『カサブランカ』、最近の作品で
はウッディ・アレンの『ギター弾きの恋』（深津絵里はサマンサ・モート
ン？？？）など、たくさんの名作映画にオマージュを捧げています。
ちなみに、タイトルにある「マジックアワー」は夕暮れの一瞬をさす映画用語。
というわけで、誰でも笑える楽しい映画なのですが、三谷監督の旺盛なサービ
ス精神が災いして、詰め込みすぎなのが惜しいところ。全体にリズムが悪くて、
せっかくの笑いが不発に終わる場面も……。
ラストもくどいですね。だいたい、それまでの経緯から考えて、あんな純愛み
たいなオチはつまりません。
それより何より、あれだけたくさんの人々の群像劇なのに、彼らが背負った人
生があんまり見えないのが最大の欠点かも……。
とはいえ、エンタメ映画としては合格点。たいていの人が楽しめるのは間違い
ありません。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（誰でも笑えて、楽しめそう。楽しい映画がお好きな方はどうぞ。）
（ぽち）
〔鑑賞データ〕
2008年6月15日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時の回
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