間宮兄弟


(2006年 日本)(上映時間1時間59分)
監督・脚本:森田芳光
出演:佐々木蔵之介、塚地武雅、常盤貴子、沢尻エリカ、北川景子、戸田菜穂、
岩崎ひろみ、佐藤隆太、高嶋政宏、中島みゆき
*恵比寿ガーデンシネマほかにて全国公開
ホームページ http://mamiya-kyoudai.com/
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<ストーリー>
東京下町のマンションで一緒に暮らす間宮兄弟。兄(佐々木蔵之介)はビール
会社に勤務し、弟(塚地武雅)は小学校の校務員をしている。30代の今も大の
仲良しの2人は、夜はテレビで野球観戦をしたり、DVD鑑賞の日々。そんなある
日、ガールフレンドがほしい2人は、カレーパーティーを企画する。弟が働く
学校の教師・葛原依子(常盤貴子)と、行きつけのビデオレンタル店でバイト
する女子大生・本間直美(沢尻エリカ)を招くことに成功するのだが……。

<レビュー>
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仲良しオタク兄弟の恋探しを描いた楽しくてホンワカしたコメディ
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日本の映画界でも有数の才能の持ち主である森田芳光監督の新作は、江國香織
の同名小説を映画化した笑えるコメディ。

主人公は、いい年をして子どもみたいに仲の良い間宮兄弟。しかも、この2人、
どちらもかなりオタクっぽい。新幹線が大好きで、横浜ベイスターズの大ファ
ンで。(て、別にベイスターズファンがみんなオタクってわけじゃないですか
ら、念のため。)

そんな2人の悩みは女性にモテないこと。楽しい毎日ではあるものの、できれ
ばやっぱりガールフレンドがほしいというので企画したのが、カレーパーテ
ィー。行きつけのビデオ屋の女の子と、弟が勤務する学校の先生を誘ってみた
ら、なんと見事にOKの返事。これをきっかけに、2人に明るい恋の未来が開
けるのか??? というお話。

ただし、起承転結がハッキリしたメリハリあるドラマが展開されるわけではあ
りません。基本的にたいした出来事は起きません。兄弟のドラマに加え、ビデ
オ屋店員の姉妹、小学校の先生、離婚目前の人妻など、いくつかの人間ドラマ
が描かれるものの、それほど深〜いドラマというわけではありません。

それでも、最後まで楽しく観られるのはとにかく笑えるから。ノッポとデブの
間宮兄弟は見た目から何となくおかしいし、その言動もどことなくヘン。それ
を観ているだけでクスクスと笑ってしまいます。ホント、子供の時のまんまな
んだなぁ〜。この兄弟。 (=⌒▽⌒=)

いろんなギャグもタップリ詰まっています。本筋と関係のないギャグもテンコ
盛。なので、最初から最後まで笑って楽しく観られるのです。

そうやって、無邪気で裏表のない間宮兄弟を観ているうちに、兄弟愛が伝わっ
てきて、観ているこちらまでホンワカしてきます。オチャメな母親や祖母など
も含めて、とてつもなく温かで、楽しくて、まっすぐな家族なのですヨ。それ
が実に心をなごませてくれます。

実は、個人的に、森田監督の最近の作品の多くは、好きになれませんでした。
独特の映像美などは健在ですが、細かな技巧に溺れてドラマに深みが感じられ
ないのです。才能に自己陶酔しているように思える時さえありました。

しかし、今回はコメディということで、マジな映画の時のような自己陶酔的な
面はあまり見られません。良い意味で肩の力が抜けた映画になっています。

間宮兄弟がここまでいい味を出せたのは、テレビドラマでもおなじみの佐々木
蔵之介、ドランクドラゴンの塚地武雅というユニークな配役のせいでしょう。
よくまあ、こんな意外で楽しいコンビを思いついたものです。
常盤貴子、沢尻エリカ、北川景子、戸田菜穂、岩崎ひろみ、高嶋政宏、そして
兄弟の母親役の中島みゆきといったあたりも、ユニークで存在感タップリのキ
ャスト。このキャスティングに大拍手です。

あまりにもたくさんの笑いのネタを繰り出すので、中には不発で笑えないネタ
もあります。また、思いついたように入るナレーションも中途半端。

そのあたりを除けば、楽しく笑えて、ホンワカできる、とってもステキなコメ
ディ映画でした。結末は明確なハッピーエンドではありませんが、それでも観
終わってポジティブな気分になれるはず。兄弟のいる人もいない人も、「自分
にもあんな兄弟がいたらなぁ〜」なんて思ってしまうんじゃない?

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(楽しく笑えてホンワカできるコメディ。温かな気分になりたい方にはオスス
メです。)
                             <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2006年5月15日(月)シネ・リーブル池袋にて。午後1時10分の回


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