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マイアミ・バイス（MIAMI VICE）
（2006年 アメリカ）（上映時間２時間12分）
監督・脚本：マイケル・マン
出演：コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス、コン・リー、ナオミ・ハ
リス、エリザベス・ロドリゲス、ジョン・オーティス、ルイス・トサル、バ
リー・シャバカ・ヘンリー、キアラン・ハインズ
＊日劇１ほかにて全国公開
ホームページ http://www.miami-vice.jp/
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＜ストーリー＞
マイアミ警察特捜課の刑事コンビ、ソニー・クロケット（コリン・ファレル）
とリカルド・タブス（ジェイミー・フォックス）は、ある日、潜入捜査の任務
を要請される。ＦＢＩなどの合同捜査の極秘情報が麻薬密輸組織に漏洩したた
め、そのルートを突き止める任務だった。２人は南米の危険地帯に乗り込み、
北米のドラッグ・ディーラーになりすますのだが……。
＜レビュー＞
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かつての人気ＴＶドラマの映画版。リアルでスリリングな犯罪サスペンス
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２人の刑事コンビが麻薬の運び屋に扮して潜入捜査を行う犯罪サスペンス。80
年代の大人気ＴＶシリーズを、製作総指揮を務めていたマイケル・マン監督
（『コラテラル』『インサイダー』）が自ら映画化しました。
マイケル・マン監督といえば、なんといってもリアルでスリリングな映像が魅
力。今回もオープニングのクラブでの売春捜査のシーンから、手持ちカメラを
多用するなどして、まるでドキュメンタリーのような迫力あるシーンを生み出
しています。
マイアミと中南米を舞台に展開する潜入捜査そのものは、特に目新しくはない
ものの、映像のパワーでグイグイと引き込まれてしまいます。コリン・ファレ
ル扮するソニーとジェイミー・フォックス演じるリカルド、２人の刑事の姿が
実にクールでスタイリッシュ！ マフィアのボスや手下たちも、アブナイ雰囲
気タップリです。
後半に行くにつれて緊張感はどんどん高まります。女性刑事でリカルドの恋人
でもあるトルーディを人質に取られた２人の刑事と仲間たちは、監禁場所を特
定し決死の救出劇を展開します。そして、その後の大爆発……。
クライマックスはハードすぎる銃撃戦。ここもド派手な活劇というよりは、本
物の銃撃戦を見ているようなリアルさが漂うシーンです。
最初から最後までまったく緊張感の途切れない一級品の犯罪サスペンスといっ
てよいでしょう。
そして、もう一つのストーリーの柱が、麻薬組織の一味であるコン・リー扮す
るイザベラとソニーとの恋愛ドラマ。「ひと目会ったその日から」ではないけ
れど、やや強引な恋愛ながら、味方のような敵のような微妙な関係が背景にあ
るので、それなりに見応えあるドラマになっています。
初めのほうでリカルドとトルーディのベッドシーンを延々映すから「こんなの
必要なのか？」と思ったのですが、ラストにおけるソニー＆イザベラ、リカル
ド＆トルーディというカップル２組の対照的結末の伏線だと考えれば納得。
ただし、ソニーとイザベラがダンスをしている写真を、組織の作戦変更のきっ
かけに使うのはちょっと無理があるのでは？
それにカメラワークで２人が愛し合うところを、一生懸命官能的に描こうとし
ているけれど、そんなに官能的じゃないよなぁ〜。たしかに、コン・リーは
堂々たる演技で、特にラストの感情を押し殺した表情が見事ではあるのだが。
というわけで、犯罪サスペンスとしてかなりの力作ですが、昔のテレビ版とは
ちょっと違います。テレビ版は、当時としてはダークなドラマだったのですが、
それでも暗さと裏腹のマイアミの明るい陽光、お気楽な人々の姿も同時に描き
出されていました。しかし、映画版はそれがありません。全編が暗いまんまで
す。おまけに、コリン・ファレルはどう考えても、ドン・ジョンソンと似ても
似つかないしさぁ〜（笑）。
なので、昔のテレビ版をご存知の方は、それを忘れてまったく別物として観て
ください。そうすれば、けっこう楽しめる犯罪サスペンスだと思います。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（マイケル・マン監督らしいハードでスリリングな映画。見応えはかなりあり
ます。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年9月18日（月・祝）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分
の回
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