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ミレニアム2 火と戯れる女
（FLICKAN SOM LEKTE MED ELDEN）
（2009年 スウェーデン）（上映時間2時間10分）
監督：ダニエル・アルフレッドソン
出演：ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、アニカ・ハリン、ペール・
オスカーション
＊シネマライズほかにて公開
ホームページ http://millennium.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
月刊誌『ミレニアム』の敏腕ジャーナリストのミカエル（ミカエル・ニクヴィ
スト）と、鼻ピアスにドラゴンタトゥーの天才ハッカー・リスベット（ノオ
ミ・ラパス）が協力して、大富豪バンゲル家で起きた連続殺人事件を解決して
から1年。少女売春組織を追っていたジャーナリストが殺害される事件が起き、
現場からリスベットの指紋がついた銃が発見される。指名手配されたリスベッ
トは、警察の追跡をかわしながら、1人で真犯人を追う。一方、彼女の無実を信
じるミカエルも、仲間とともに事件の真相を追うのだが……。
＜レビュー＞
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犯人はリスベット？ 緊迫感に包まれた濃密なミステリーの第2作
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全世界でベストセラーとなったスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンのミ
ステリー小説を3部作で映画化した第2作。3部作の2作目とくれば、どうしても
中だるみしがちですが、この映画に限ってそれは感じられません。1作目には及
ばないにしても、今回もなかなか見事な出来のミステリー映画です。
鼻ピアスで、ドラゴンタトゥーの天才ハッカーの女リスベットと、『ミレニア
ム』という雑誌を発行するジャーナリストのミカエルが、協力して連続殺人事
件を解決したのが前作。今回はそれから1年後という設定です。
前作の事件以来、リスベットと連絡の取れなくなったミカエル。彼のもとで少
女売春組織を追っていたジャーナリストと恋人が殺害されます。さらに、リス
ベットの後見人の弁護士も殺され、現場に残された証拠からリスベットが犯人
として指名手配されてしまいます。
設定が設定だけに、今回は前作と違ってリスベットとミカエルが絡むシーンは
ほとんどありません。2人がそれぞれ別々に事件の謎を追います。それでも面白
さは一級品です。リスベットが犯人でないことは最初からわかっていても関係
なし。まったく先の読めないハラハラドキドキの連続で一瞬もダレるところが
ありません。何よりも前作同様に、スクリーンを包む異様な緊迫感に圧倒され
ます。映像の冴えも特筆もの。実に濃密な世界が展開します。
事件を追う2人の行動は、それぞれのキャラクターをふまえたものだけに、多少
強引な展開でも不自然さが感じられません。特に、過去の心の傷のせいで他人
を拒否し、1人で敵に向かっていくリスベットの猪突猛進ぶりが今回も圧巻。そ
れに対して、変化球を交えながら、ジャーナリストらしい執拗さで敵に挑むミ
カエル。離れていても、2人はしっかりとお互いを補い合って敵に向かっていま
す。
事件の謎が少しずつ解けていく中で、やがて巨大な闇が浮かび上がってきます。
それと同時に、謎だらけだったリスベットの呪われた過去が、少しずつ明らか
になっていきます。こうして事件の謎とリスベットの過去が、それぞれ微妙に
絡み合いながら見えてくるのが、このシリーズの醍醐味。
クライマックスではリスベットがある人物によって、最大のピンチに追い込ま
れます。それでもなお立ち上がる彼女の壮絶な姿が目にしみます。そして、そ
んな彼女の前に現れたのはやっぱり……。
とにかく今回も見応え十分です。もちろん原作の面白さに負うところが大きい
のでしょうが、それにしてもここまで充実した映画にするのだから見事。これ
を観たら絶対に「3」も観たくなるはず。
ちなみに、登場人物がたくさんいるのに配慮して、主要な人物には名前と簡単
なプロフィールが出る配慮もうれしいところ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（1作目ほどではないにしても面白さは健在。前作を観た人は必見。原作を読ん
でなくても楽しめます。次作にも注目！）
（田中ひろあき（ぽち））
2010年9月24日（金）シネマライズにて。午後1時の回
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