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ミレニアム３ 眠れる女と狂卓の騎士
（LUFTSLOTTET SOM SPRANGDES）
（2009年 スウェーデン）（上映時間2時間28分）
監督：ダニエル・アルフレッドソン
出演：ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、アニカ・ハリン、レナ・エ
ンドレ
＊シネマライズほかにて公開
ホームページ http://millennium.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
瀕死の重傷を負ったリスベット（ノオミ・ラパス）は、ミカエル（ミカエル・
ニクヴィスト）によって救出され、一命は取り留めたものの病院で長期間の療
養生活を強いられる。そんな中、亡命スパイのザラを利用してきた秘密組織が、
国家的謀略を闇に葬り去るために関係者の口封じに動き、精神科医テレボリア
ンと共謀して、リスベットを精神病院送りにしようと画策する。一方、ミカエ
ルは、妹の弁護士アニカ・ジャンニーニなどとともに、悪に立ち向かっていく。
そして、ついに法廷での対決が始まるのだが……。
＜レビュー＞
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ついに明らかになるすべての真実。ミステリー3部作の完結編
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全世界でベストセラーになったスティーグ・ラーソンのミステリー小説の映画
化。3部作の完結編です。前作までに輪郭が見えていた謎の全貌がついに明らか
になります。
瀕死の重傷を負ったドラゴンタトゥーの女天才ハッカー、リスベットが、ジ
ャーナリストのミカエルに救出された前作のラストシーンから物語は始まりま
す。病院で銃弾の摘出手術を受け、そのまま入院することになったリスベット。
殺人未遂容疑がかけられていることもあり、外部との接触もままならない状態
です。
したがって、前半の彼女は、これまでのように自ら敵に向かっていくことはで
きません。その代わり、ミカエルが自らの雑誌「ミレニアム」の特集記事を書
くために、リスベットの生い立ちと深く関わる国家的な陰謀の謎に迫っていき
ます。それに対して、陰謀の当事者たちは真相を永遠に葬ろうとして、あの手
この手で攻撃してきます。
さすがに前半は、過去2作のようなノンストップのスリリングさはなし。それで
も謎解きの面白さは十分に味わえます。さらに、リスベットの周囲にミカエル
の妹の弁護士アニカや医師のヨナソンといった協力者を配して、ドラマを盛り
上げています。
映画の中盤になると、ミカエルに大きな味方が現れます。首相の命令で秘密組
織を暴くことになった公安警察のエドクリントたちです。しかし、それでも敵
はミカエルたちに執拗な攻撃を加えてきます。
そして、いよいよ後半はこの映画最大の見せ場の法廷シーンです。秘密組織の
協力を得て、リスベットを精神病院に送り込もうとするテレボリアン医師と検
事に対して、リスベットとアニカが全面対決します。
法廷でのリスベットは、1作目で最初に登場した時と同じパンクスタイル。髪の
毛を逆立て、鼻ピアスで、さっそうと現れます。それが実にカッコいい！そこ
に至るまでの病院や拘置所での姿とは好対照なので、なおさらカッコよく見え
てきます。法廷での彼女は口数こそ少ないものの、ドスのきいたセリフで敵に
向かっていきます。テレボリアンを「ブタ野郎！」と一喝。これもまた彼女に
とって真剣勝負の戦いというわけです。
迫力の法廷での対決によって、いよいよ真実がすべて明らかになり、同時にエ
ドクリントたちによって秘密組織が追い詰められます。
さーて、めでたく大団円と思ったら、その後には、今作ではあまり派手な見せ
場のなかったリスベットにちゃ〜んと最後の戦いが用意されていました。
そして迎える余韻の残るラストも印象的。映画では描かれることのない、2人の
今後をあれこれと想像させられます。
前2作ほどではないものの、相変わらず巧みな脚本と緊迫感に満ちた雰囲気のお
かげで、スクリーンから目が離せませんでした。ミステリー映画として見応え
満点の3部作でした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（この映画単独ではそれほどの作品ではないものの、シリーズの完結編として
は上出来。3作通して実に面白いミステリー映画でした。ミステリーが好きな人
は3作ともどうぞ。）
（田中ひろあき（ぽち））
2010年9月25日（土）シネマライズにて。午後1時40分の回
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