ミラーズ(MIRRORS)


(2008年 アメリカ)(上映時間1時間51分)
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート、
メアリー・ベス・ペイル、ジョン・シュラプネル、ジェイソン・フレミング
*有楽座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/mirrors/
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<ストーリー>
元刑事のベン・カーソン(キーファー・サザーランド)は、1年前に同僚を誤
って射殺したことから停職処分となり、妹のアパートに居候していた。ある日、
ベンは大火災で廃屋と化したデパートの夜警の仕事に就く。そこに残された巨
大な鏡に引き込まれたベンの身の回りでは、奇怪な出来事が起こり始めるのだ
が……。

<レビュー>
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ショッキングなシーンの連続! 鏡をネタにしたホラー映画
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日常で何気なく見ている鏡ですが、よく考えれば不思議な存在。そこに映って
いるのは自分だけど、ホンモノの自分ではない。もしも、それが別人格として
行動し始めたら……。

そんな恐怖を背景にした映画。2003年製作の韓国映画『Mirror 鏡の中』をハ
リウッドがリメイクしたそうです。

主人公は同僚を射殺して停職中の元刑事。アルコールに溺れ、妻子と別居し、
妹の家に居候中。「これではいかん」と警備の仕事に就くことに。警備するの
は、5年前に大火災を起こして廃墟となったデパート。保険の関係で火災当時
のままの状態。そこにあるのは、美しい巨大な鏡。それに触れてしまった主人
公の周りで怪奇現象が起き始めて……。

トラウマを背負って精神を病んだ主人公ということで、鏡をめぐる怪奇現象を
前にして、「これは現実なのか?それとも幻覚か?」と悩み憔悴していく。そ
んな心理的な要素の強いホラー・サスペンスなのかと思ったら、大ハズレでし
た。これって、完璧にオカルトチックなホラー。心理的な恐怖というよりは、
そのものズバリの怪奇現象やエグいシーンで恐がらせる映画です。

しかも、けっこうツッコミどころが目立ちます。よくよく考えると、つじつま
が合わなかったり、都合が良すぎるところもあります。

そもそもああいうオカルトっぽい怪奇現象を信じない人にとっては、ウソっぽ
くて、ついていけない映画かもしれません。なんだか『エクソシスト』的な感
じもするので。

でも、そのへんを気にしないで楽しめば、けっこう恐いホラー映画です。何し
ろ舞台が最高。火災にあって廃墟となった夜の百貨店を見ただけで、背筋がゾ
クゾクするほどの不気味さです。しかも、そこは昔は病院だったという設定。
その時に起きた恐ろしい事件が怪奇現象の原因ということで、ますます恐さが
増幅されます。

中盤からは、主人公が「エシィカー」という名前をヒントに、ある人物を探り
ます。その人物こそが怪奇現象と大きく関わっているのですが、そんな中、主
人公の妹に続いて、妻子にも危機が迫るハラハラの展開です。

クライマックスはやや肩透かしかと思いきや、その後のオチにはビックリ。鏡
をネタにした映画にはピッタリのオチで、恐さの余韻を残します。

監督は『ハイテンション』『ヒルズ・ハブ・アイズ』のフランスの新鋭アレク
サンドル・アジャ。凄惨な殺人シーンと裏腹に、独特の雰囲気を持つ美しい映
像が印象的です。

主演はTVシリーズ「24 TWENTY FOUR」のキーファー・サザーランド。

先日公開されたショーン・エリス監督の『ブロークン』をはじめ、鏡をネタに
した映画はたくさんありますが、これだけショッキングなシーンが連続する映
画はそうはないでしょう。心理的にジワジワくる恐さはありませんが、まるで
お化け屋敷にいるような恐さの波状攻撃が体験できます。

この映画を観たら、鏡を見るのが恐くなるかも……。

《ぽちの満足度》
★★☆☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(ホラー映画としての恐さはなかなかのもの。恐い映画が好きな人にはオスス
メ。ただし、エグいシーンも多いのでご注意を。)
                              (田中ひろあき(ぽち))
〔鑑賞データ〕
2008年12月29日(月)池袋HUMAXシネマズ4にて。午後2時10分の回


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