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ナチョ・リブレ 覆面の神様（NACHO LIBRE）
（2006年 アメリカ）（上映時間1時間32分）
監督：ジャレッド・ヘス
出演：ジャック・ブラック、エクトル・ヒメネス、アナ・デ・ラ・レゲラ、リ
チャード・モントーヤ、ピーター・ストーメア、セサール・ゴンサレス
＊ テアトルタイムズスクエアほかにて全国公開
ホームページ http://www.nacho-movie.jp/top.html
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＜ストーリー＞
幼くして両親を亡くし、修道院で育てられたナチョ（ジャック・ブラック）。
大人になり修道院で料理番となるものの、お金がなく孤児たちに満足な食事を
用意できない。そんなある日、街でルチャ・リブレのスターを目撃した彼は、
自分もレスラーになってお金を稼ごうと考える。ルチャ・リブレは修道院では
忌まわしいものとされていたため、内緒で試合への出場を決め奇妙なトレーニ
ングを開始するのだが……。
＜レビュー＞
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ジャック・ブラックの魅力が詰まったオバカな人情コメディ
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ジャック・ブラックはやっぱりコメディが似合いますねぇ〜。『キング・コン
グ』あたりでもユニークな個性を発揮していましたが、あの顔つき、体型、し
ぐさ、そして時折見せるマジな顔は、コメディになるといっそう輝きます。
修道院のダサダサ男が、一念発起してルチャ・リブレ（メキシコのプロレス）
に挑戦するこのコメディ映画でも、彼の魅力が十分に発揮されています。
まあ、とにかく出てきただけで笑えますよ。この人。全編ギャグ満載というわ
けではないものの、要所要所で笑えるシーンがテンコ盛。何の意味があるのか
サッパリわからん特訓とか、ワシの卵をとりにいくエピソードとか、オバカと
しか言いようがありません。笑えるのは確実！！
ドラマ的にはベタな人情ものかと思ったら、けっしてそうではないんです。主
人公がルチャ・リブレに挑戦するのは、孤児たちのためというよりも、ダメ男
の現状からの脱却という動機のほうが色濃く出ています。しかも、冒頭でプロ
レス好きの少年時代のナチョを出すことで、一人の男の成長物語の側面を強く
打ち出しています。
さらに、そこに超美人の修道女への恋心という要素も入れて、ソツのないドラ
マにしています。
ヘンな相棒を見つけ、ルチャ・リブレに挑戦するものの思うように行かず、内
緒にしていた修道院にバレて去っていくナチョ。その後姿に哀愁が漂います。
オバカな演技と裏腹に、こういうマジなところも出せるのがジャック・ブラッ
クの魅力のひとつ。とはいえ、そうやって向った先が、これまたオバカな場所
で笑えるのですが。
途中からは、「孤児たちのためにバスを購入する！」というナチョの思いが強
く出てきます。クライマックスの人気レスラーとの対決も、これまたオバカで
ハチャメチャ。しかし、同時にしっかりと感動も与えてくれます。
ヘンに凝らずにテンポよく描いた演出もなかなかのもの。役者では、ナチョの
相方「ヤセ」を演じたエクトル・ヒメネスがいい味を出していました。
傑作だった『スクール・オブ・ロック』には及ばないものの、間違いなしに笑
えて、ちょっぴり温かな気持にしてくれるコメディ。ジャック・ブラックの魅
力が十分発揮されています。チリチリ頭のジャックもいいぞぉ〜！！
まあ、良くも悪くもジャック・ブラックによるジャック・ブラックのための映
画なので（製作にも名を連ねている）、彼が苦手な人にはオススメできません
ので。それにプロレスにうるさい人も観ないほうがいいかもネ。わざとハチャ
メチャにしているので。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（『スクール・オブ・ロック』ほどのパワーはないものの、同じように笑えて
温かくなれる映画。笑いたい方はぜひどうぞ）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年11月11日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分の回
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