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私は猫ストーカー
（2009年 日本）（上映時間1時間43分）
監督：鈴木卓爾
出演：星野真里、江口のりこ、宮崎将、品川徹、諏訪太朗、寺十吾、岡部尚、
瀬々敬久、黒沢久子、麻生美代子、徳井優、坂井真紀
＊シネマート新宿、ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://nekostalker.jp/
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＜ストーリー＞
イラストレーターの卵のハル（星野真里）は、猫を見かけると後を追いかけず
にはいられない"猫ストーカー"。そんなある日、彼女のバイト先の古本屋で、
ご主人と奥さんの間に不穏な空気が漂う中、飼い猫のチビトムが突然姿を消し
てしまう。必死に行方を探すハルやバイト仲間の真由子だったが……。
＜レビュー＞
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大きなことは起こらないけれど、独特のほんわかムードに味がある
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イラストレーター、浅生ハルミンの同名エッセイが原作。ひたすら猫を追いか
けて仲良くなろうとする、自称「猫ストーカー」の女の子を描いたドラマです。
とりたてて大きなことは何も起きません。主人公のイラストレーターの卵ハル
のところに、元彼からリンゴが届いたり、バイト先の店主夫婦の関係がギクシ
ャクする中で飼い猫が失踪したり、ハルのことを好きらしい青年が出現したり
……。せいぜいその程度です。
ストーリーだけ聞いていると別にどうってことはないのですが、実際にスク
リーンを観ていると捨てがたい味わいがあります。全体を包むほんわかムード。
「小さいことはいろいろあるけれど、とりあえず猫がいれば大丈夫」。そんな
前向きな声が聞こえてきそうな映画です。
最低限のセリフのみで、淡々と抑制された描写。路地にいる猫とハルのようす
を手持ちカメラで追いかける自主映画風なタッチ。そのあたりも独特の味にな
っています。
そして、なんといっても、一番いい味を出しているのが、たくさん登場する猫
たちです。ほとんどの猫は、東京の下町「谷根千」あたりに住む猫たちだとか。
シロウト猫にしてはなかなかの芸達者ぶりで、猫好きにはなおさらたまらない
ことでしょう。
こういう映画は猫がテーマだからこそ成立するのでしょう。犬じゃ、こうはい
きませんよね。
テレビや映画に引っ張りだこの星野真里ですが、主演は久々では？ 自然体の
演技には好感が持てます。そして、古本屋店主夫婦を演じた徳井優と坂井真紀
の繊細な演技も見事。セリフが少ない中で、微妙な感情を巧みに表現していま
す。
ちなみに、植木に水をやる男の役で『感染列島』の瀬々敬久監督がチラッと出
てきます。どうやら、俳優・脚本家でもあるこの映画の鈴木卓爾監督と知り合
いみたいですね。
猫好きにはオススメの映画。そうでない人も、独特のほんわかムードに包まれ
て、それなりに楽しめるかもしれません。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（猫を追いかける女の子を描いたほんわかした映画。猫好きな方はぜひどう
ぞ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年7月13日（月）シネマート新宿にて。午後6時15分の回
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