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寝ずの番
（2006年 日本）（上映時間１時間50分）
監督：マキノ雅彦
出演：中井貴一、木村佳乃、笹野高史、岸部一徳、長門裕之、富司純子、木下
ほうか、田中章、土屋久美子、真由子、石田太郎、蛭子能収、高岡早紀、堺正
章
＊ シネスイッチ銀座ほかにて全国公開
ホームページ http://nezunoban.cocolog-nifty.com/main/
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＜ストーリー＞
上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴（長門裕之）が死を目前にした時、弟子たちは
最後の望みを聞く。それはとても信じがたい願いだった。やがて、橋鶴の通夜
の席には、弟子はもとより、故人をしのんでゆかりの人々が続々訪れる。そこ
で、思い出話に花が咲くうちに、話はだんだんお下品になっていき……。
＜レビュー＞
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大物新人監督が送る！？ 下ネタだらけのお下品コメディー
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マキノ雅彦監督って誰だ？
なに？ 日本映画初期の巨人、マキノ省三監督を祖父（叔父はマキノ雅弘監
督）に持つ大物新人監督ですと？？？ （？＿？）
な〜んて言ってもわかんないスよね。正体は俳優の津川雅彦です。映画監督デ
ビューにあたって祖父の名前をもらったワケね。
それにしても、監督デビュー作がこんなお下品な映画でいいんでしょうか。な
んせオープニングからまもなく、木村佳乃がスカートをめくりあげて、アソコ
を丸出しにするのです。その後も、下ネタの連発です。 （；＾ω＾Ａ
原作は故・中島らもの同名短編。上方落語の師匠が亡くなって、続いてその一
番弟子が亡くなって、さらに未亡人となった師匠のおかみさんまで亡くなって
という死の三連発。でもって、それぞれのお通夜のようすを描いたのがこの映
画です。
遺体を前に弟子などが集まって、死者の思い出話に話を咲かせます。しかし、
その話というのがホントがウソかわからんようなバカ話ばっかり。
最初の師匠のお通夜では、ハワイでのマヌケなマリファナ事件とか、焼肉屋の
バカ話とか。
続く一番弟子のお通夜でも、不幸を運ぶ落語会とか、死の直前のエロ体験（高
岡早紀がエロすぎ！！！）とか。とにかく笑うしかない、しょうもないネタの
連続。
最後のおかみさんのお通夜では、さすがにホロッとさせる感動のエピソードか
と思いきや、何のことはないすぐにエロネタ歌合戦に突入〜〜〜！！
＼（＊⌒０⌒）
全編これ、お下品な下ネタが満載。ちょっとシンミリしそうになっても、すぐ
にもとの下ネタにリターンとくらぁ。
ふつう、これだけお下品ネタを繰り出せば、どんどんお下劣な世界に走って、
たくさんの観客の眉をひそめさせてしまうことでしょう。
でもねぇ、この映画はそうじゃないんです。ギリギリ紙一重のところで踏みと
どまってるんですヨ。お下品だけど、お下劣にはならない寸止めの美学とでも
言いましょうか。だから、ほとんどの観客が楽しくゲラゲラ笑えてしまうんで
すねぇ。
その原因はエロなれどちっとも陰湿でない脚本、演出のせいだと思います。特
にポンポンとテンポの良い演出が光ります。場面転換がほとんどないにもかか
わらず、ちっとも飽きないのも、津川……じゃなくてマキノ監督の演出の力。
配役もいいんですよ。チョイ役も含めて実に豪華な布陣。師匠役の長門裕之、
弟子役の中井貴一、笹野高史、岸部一徳、おかみさん役の富司純子、中井貴一
の奥さん役の木村佳乃など見応え満点。なぜかいつもいる蛭子能収サンまで、
み〜んな笑えてしまいます。
そういえば長門裕之は津川雅彦の実兄、弟子の嫁さん役の真由子は実の娘。つ
いでに奥さんの朝丘雪路も出しちゃえばよかったのに（朝丘じゃなくて浅丘ル
リ子は一瞬だけ出演）。
それにしても、落語家って、実際にあんなにアホでおもしろい人ばっかりなん
でしょうか。楽しすぎるぜ。落語家人生。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（お下品ネタ満載の抱腹絶倒コメディー。後に残るものは何もありませんが、
笑えるのは確実に笑えます）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年４月８日（土）シネスイッチ銀座にて。午後４時20分の回
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