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ＮＩＮＥ（NINE）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間58分）
監督：ロブ・マーシャル
出演：ダニエル・デイ＝ルイス、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、
ジュディ・デンチ、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ファーギー、
ソフィア・ローレン
＊丸の内ピカデリー1ほかにて全国公開
ホームページ http://www.nine-9.jp/
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＜ストーリー＞
1964年のイタリア。世界的な映画監督グイド・コンティーニ（ダニエル・デイ
＝ルイス）は、新作「ITALIA」の撮影開始を目前にしていた。だが、映画の構
想はまとまらず脚本も書けていない。それでも準備は着々と進み、グイドは追
いつめられる。妻や愛人など女性たちに慰めを求めるものの、逆にさらに追い
つめられて、ついには幻想の世界に逃避してしまうグイドだったが……。
＜レビュー＞
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豪華キャストによるハイレベルの歌と踊りのミュージカル
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イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督による名作『8 1/2』をもとにした
トニー賞受賞の大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカル「ナイン」を、『シ
カゴ』のロブ・マーシャル監督が映画化。脚本には、一昨年亡くなった『イン
グリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ監督の名前もあります。
黄金時代のイタリア映画界を舞台に、スランプに陥った世界的な映画監督が、
どんどん追いつけられていき、彼の周囲の女性たち（妻、愛人、主演女優、衣
装係、母親などなど）に救いを求めるものの、ますます追いつめられて幻想世
界へ入り込んでいくというお話。
映画の最大の見所は、豪華な俳優陣による歌と踊りです。ダニエル・デイ＝ル
イスをはじめ、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デン
チ、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレンと、オスカー俳優が６人も顔
を揃え、さらにグラミー賞歌手のファーギーも登場。
特に女優陣の歌と踊りは、どれもかなりのハイレベル。なかでも、驚いたのが
ケイト・ハドソンの歌と踊りがイケてること。マリオン・コティヤールは『エ
ディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』で、ニコール・キッドマンは『ムーラン・
ルージュ』でそれぞれ歌声を披露しているので違和感はありませんが、ケイト
の歌は初めて聞いたような気が……。バンドのグルーピーを演じた『あの頃ペ
ニー・レインで』でも、たしか自分では歌ってませんでしたよね？
その他の俳優たちの歌と踊りも存在感十分。ペネロペのエロい演技にも思わず
ニヤリでした。
物語も構成がユニークです。輝かしいキャリアを持つ人がダメになって憔悴し
ていく話はよくありますが、それを女性たちとの関係性の中で描くというのは
面白い着想。
しかし、深みはあまり感じられませんでした。いろんな女性たちが入れ替わり
立ち代わり出現するだけで、それが主人公の苦悩や憔悴を浮き彫りにすること
はありません。いくらダニエル・デイ＝ルイスが抜群の存在感と演技力を見せ
たところで、あれじゃただの女たらしの因果応報。
ラストで主人公が再び前線に戻るところの描き方も、バタバタと進んで慌しい
感じ。そこに至るためらいなども描かれません。ミュージカルとはいえ、もっ
と彼の内面に迫るような描写が欲しかったですね。
それでも、豪華キャストによる歌と踊りは十分すぎるほど楽しめました。それ
にもとになった『8 1/2』を意識したシーンも、あちこちに散りばめられている
ようなので、そのあたりに注目して観るとよいのではないでしょうか。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（ドラマ的にはあまり深みが感じられませんでしたが、豪華キャストによる歌
と踊りは見事です。特にミュージカル好きなら必見。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年3月21日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の回
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