ナンバー23(THE NUMBER 23)


(2007年 アメリカ)(上映時間1時間39分)
監督:ジョエル・シュマッカー
出演:ジム・キャリー、ヴァージニア・マドセン、ローガン・ラーマン、ダ
ニー・ヒューストン、リン・コリンズ、ローナ・ミトラ
*渋谷東急ほかにて全国公開
ホームページ http://www.number23.jp/
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<ストーリー>
動物管理局に勤めるウォルター(ジム・キャリー)は妻と息子に囲まれ、平和
な日々を過ごしていた。だが、2月3日の誕生日に、妻から古書店で購入した
「ナンバー23」という本をプレゼントされる。その本は、23という数字が持つ
奇妙な謎に翻弄される人物を描いた小説。それを読み進むうちに、ウォルター
は主人公が自分ではないかと疑い始めるのだが……。

<レビュー>
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ジム・キャリーがシリアスに演じた謎の数字をめぐるサスペンス・ミステリー
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コメディのイメージが強いジム・キャリーですが、最近はけっこうシリアスな
芝居も増えています。その中でも究めつけがこの映画。ギャグ封印で謎に満ち
たサスペンス・ミステリーに挑んでいます。

物語の背景が面白いんです。何でも「23」という数字には、謎がたくさんある
とか。そんな23にまつわる本を偶然手にした主人公が、どんどん迷宮へと突入
していく。実はその裏には恐ろしい真実が隠されていて……。ギャーッ!! 
てな物語です。

ただし、前半はなんだか、しっくりきません。物語の発端は、動物管理局に勤
務する主人公のウォルターが、たまたま1匹の犬に出会ったこと。それによっ
て、本当なら手にするはずのなかった「ナンバー23」という本を彼の妻が手に
して、それをウォルターにプレゼントします。その本は23という数字によって
人生を狂わされた男を描いた小説。読み進むうちにウォルターはどんどんその
世界にのめりこんでいきます。

ウォルターと妻子の現在進行形のドラマと、ウォルターが主人公に扮して描か
れる本の中のドラマが並行して描かれますが、心理描写がしっかりしていない
ので何度も首をひねってしまいました。ウォルターがどんどん本の中の世界に
入り込んで、次第に狂気へと走っていく様子に説得力が感じられないんです。
キミは、なぜにそんなに夢中になる? なぜにそんなに憔悴していく?

しかし、後半は一気に面白くなりました。本にのめりこむうちに、ウォルター
は、そこに描かれているのが自分自身ではないかと思うようになります。そこ
で、「このままでは自分はヤバイ!」と思い、いったい誰がその本を描いたの
か、描かれていることは真実なのかを探っていくのです。

そこからは犯人探しのドラマがスリリングに展開されます。墓場、謎の施設、
本に秘められた暗号など、ミステリーにはピッタリの道具立てを生かして、ド
ラマを怪しく盛り上げていきます。

そして、ついに浮かび上がる驚愕の真実とその後の主人公の決断……。

後半は、さすがにジョエル・シュマッカー監督らしい演出でした。『セント・
エルモス・ファイアー』『評決のとき』『バットマン フォーエヴァー』『ヴェ
ロニカ・ゲリン』『フォーン・ブース』『オペラ座の怪人』というように、あ
りとあらゆる映画を撮ってきた超ベテラン職人監督だけに、ソツのない演出で
す。特に映像は見事。事件の鍵を握るフラッシュバックの使い方なども手慣れ
たものです。

ただし、肝心の23の謎について、ボク自身は最後まで違和感を拭い去れず。だ
って、「ラテン語のアルファベットは23文字」だの、「ヒトの生殖細胞に含ま
れる染色体は23本」だの、「シェイクスピアが生まれたのも死んだのも23日」
だの、はては、「タイタニック号の沈没が1912年4月15日で全部足すと23」だと
か、「ヒトラーが自殺したのは1945年4月で全部足すと23」だなんて、それはど
う考えてもこじつけだろぅ〜〜!!

そんなこともあって、「十分に満足!」とはいかなかったものの、それなりに
楽しめる映画だとは思います。とりたててスゴイわけではありませんが、後半
のハラハラドキドキを中心に、料金分ぐらいは楽しめるのでは?

でも、やっぱりジム・キャリーはコメディのほうが似合うかな!?

《ぽちの満足度》
★★☆☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(ダークなムード漂う映像など、シュマッカー監督らしい演出は見応えアリ。2
3の謎はともかく映画としてはまずまずの出来。)
(ぽち)

〔鑑賞データ〕
2007年11月23日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時の回。


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ナンバー23
ジョエル・シュマッカー
ジム・キャリー
ヴァージニア・マドセン