|
大洗にも星はふるなり
（2009年 日本）（上映時間1時間43分）
監督・脚本：福田雄一
出演：山田孝之、山本裕典、ムロツヨシ、小柳友、白石隼也、安田顕、佐藤二
朗、戸田恵梨香
＊シネセゾン渋谷ほかにて全国公開
ホームページ http://www.ooarai-movie.com/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
クリスマス・イブの茨城県大洗の海の家。夏の間ここで働いていた男たちが、
憧れのマンドンナ江里子の手紙によって呼び出され集まっていた。誰一人呼び
出された理由を知らないものの、個性的な６人の男たちは勝手に「この中に彼
女の本命がいる」と結論づけて、江里子不在のまま「自分が本命だ」と主張し
始める。そこに、海の家の撤去を求める弁護士が現れて彼らを論破していくの
だが……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
笑えるシチュエーション・コメディー。だけど別に映画にしてなくても……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
茨城県大洗町の海の家だけを舞台にしたシチュエーション・コメディーです。
観ていてどうも舞台劇っぽいと思ったら、やっぱりそうでした。この映画の監
督・脚本を担当した福田雄一が、自分の劇団で上演した舞台劇を映画にしたそ
うです。
オープニングは８月31日、営業最終日の海の家。そこでマスターやバイト君た
ちが後片付けをしています。そして、時間は飛んでクリスマス・イブへ。真冬
の海の家に、夏の間バイトをしていた５人の男たちとマスターが集まってきま
す。彼らはみんなマドンナ的存在だったバイト仲間の江里子の手紙によって呼
び出されたのでした。誰も江里子の呼び出しの理由を知らないのに、勝手にこ
の中に本命がいると決め付けて、自分こそはとアピールをし始めます。
限られた空間の中で、男たちがそれぞれ妄想を膨らませていくところを、ギャ
グ満載の笑えるセリフで表現していきます。まるでコントか漫才のような雰囲
気で、ベタなネタが多いのですが、その分誰でも笑える感じです。
途中から海の家の撤去を求めに来た弁護士が加わって、それぞれの妄想を論破
していくところは法廷劇のようで笑えます。
登場する男たちの中では、佐藤二朗が演じるマスターと山田孝之が演じるナル
シスト男が特に個性的。なかでも山田孝之のバカぶりが笑えます。あのヒゲは
どうみたってコントそのもの。まるでカールおじさんです。
同じく舞台劇の映画化で、同時期に公開された『曲がれ！スプーン』よりも、
笑えるという点ではこっちのほうが上でしょう。
ただし、さすがに最後のほうは飽きてきました。結局のところ、「誰が本命
か」という話だけで引っ張り続けて、そこから何も発展しないわけですから。
映画的な工夫もあまり見られません。せいぜい男たちの妄想の世界を映像化し
ている程度です。
これって、別に映画化する必要はなかったんじゃないの？？？？？
どうしても映画化したいなら、もっと映画的な工夫がないと物足りません。福
田監督がよほど自分の舞台に自信を持っていて、そのまま映画化したかったと
いうことでしょうか？まあ、確かに笑えるのは笑えますけどね。ただそれだけ
ですもの。
ちなみに、マドンナ役の戸田恵梨香は男たちの妄想シーンに登場するのみです。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）
（コメディーとして笑えるのは笑えます。しかし、映画としての魅力はあまり
感じられませんでした。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年11月29日（日）シネ・リーブル池袋にて。午後3時の回
[「お」のページ] |
|