おっぱいバレー


(2008年 日本)(上映時間1時間42分)
監督:羽住英一郎
出演:綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル、石田卓也、大後寿々花、福士誠治、
光石研、田口浩正、市毛良枝、木村遼希、高橋賢人、橘義尋、本庄正季、恵隆
一郎、吉原拓弥
*丸の内TOEI1ほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/opv/
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<ストーリー>
1979年の北九州。中学校の新任国語教師・美香子(綾瀬はるか)は、男子バ
レー部の顧問を任される。だが、そこに待っていたのは、やる気ゼロのダメダ
メ部員たち。そんな彼らに、ひょんなことから「試合に勝ったら、おっぱいを
見せる」というとんでもない約束をさせられてしまう美智子。張り切った部員
たちは練習に打ち込み、実力をつけていくのだが……。

<レビュー>
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動機は不純でもキミらはエライ! ごく真っ当で清々しい青春物語
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いかにもバカっぽいタイトルにだまされてはいけません。これはなかなかの掘
り出し物の青春映画です。

エロモード全開の男子中学生たち。バレー部とはいえ活動実態がなく、やる気
もなし。そんなところにやってきた若い美人の美香子先生。何とか彼らをやる
気にさせようとするあまり、はずみで「試合に勝ったら、おっぱいを見せてあ
げる」と約束をしてしまう……。

オープニングは、中学生たちが自転車を疾走させて、風圧でおっぱいの感触を
体験しようとするオバカなシーン。その後もおっぱいに執着する子供たちです
が、それはあくまでもきっかけ。動機は不純でも、彼らが少しずつ成長して、
頑張ることの大切さや友情に目覚めていく姿が、生き生きと描かれていきます。

いまどき、「おっぱいを見たい!」なんて必死になる中学生がいるのか? と
思うかもしれませんが、舞台となるのは1979年の北九州。当時の時代を知って
いる人なら、「なるほど」と思うことでしょう。

あんな教師と生徒が存在できるのも、まだ教育というものに信頼が残っていた
からかもしれません。今の時代では、なかなか成立しにくいドラマでしょう。

甲斐バンド、浜田省吾、ピンクレディー、矢沢永吉をはじめ、当時流行した音
楽も全編に散りばめられ、時代の空気感をうまく出しています。

中心に描かれるのは、子供たちが少しずつ変化していくドラマですが、美香子
先生のドラマもきちんと描かれます。冒頭近くで登場する高村光太郎の詩集
「道程」のネタも、ただのギャグかと思ったら、それを先生の人生における大
きな出来事に結びつけて感動を誘います。見事な仕掛けで、思わずウルッとき
てしまいました。

後半は、子供たちが目標に向かってひたすら突き進みます。そこに訪れる思わ
ぬトラブルも含めて、青春スポーツものにはよくある展開ですが、クライマッ
クスにかけての盛り上がりはかなりのもの。熱気あふれる試合のシーンから、
その後の感動へとつなげ、さらにさわやかなラストへ。

タイトルの奇抜さや動機の不純さにだまされるなかれ。これはごく真っ当で、
清々しい青春ドラマ。そして、ある種の教育映画ともいえるかもしれません。

若い教師と生徒たちの奮闘ぶりがほほえましくて、観終わって、明るい気持ち
になれること間違いナシです。

美香子先生を演じる綾瀬はるかの天然っぽい感じも魅力。なになに? 結局、
美香子先生はおっぱいを見せたのか? それは劇場で自分で確かめましょう。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆(+1/2★)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(あまり期待しないで観たら想像以上の面白さでした。若い人だけでなく、か
つて中学生だった大人たちも楽しめそうです。)
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2009年4月19日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の回


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