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パラレルライフ（PARALLEL LIFE）
（2010年 韓国）（上映時間1時間50分）
監督：クォン・ホヨン
出演：チ・ジニ、イ・ジョンヒョク、ハ・ジョンウ、ユン・セア、パク・ビョ
ンウン
＊シネマスクエアとうきゅうほかにて全国公開
ホームページ http://www.parallel-life.jp/
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＜ストーリー＞
最年少で部長判事に任命されたソクヒョン（チ・ジニ）だが、美しい妻のユン
ギョンを何者かに殺されてしまう。ソクヒョンのライバルの検事のガンソン
（イ・ジョンヒョク）は、ソクヒョンの判決に不満を持ったチャン・スヨンに
よる犯行と断定する。そんな中、ソクヒョンは女性記者から、自分の人生が30
年前に実在したハン・サンジュン判事と似ていることを指摘される。やがて、
自分が"パラレルライフ"に巻き込まれていることを確信したソクヒョンは、30
年前の事件を調べ始めるのだが……。
＜レビュー＞
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パラレルライフに支配された男を描くスリリングなミステリー
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違う時代に生きる2人の人間が、同じ運命の人生を送るという理論=平行理論
（パラレルライフ）。例えば、リンカーンとケネディは100年違いで同じような
運命をたどったそうです。その理論をネタにしたサスペンスです。
最年少で部長判事になった主人公の妻が殺害され、容疑者が逮捕されます。し
かし、女性記者から「30年前にも最年少で部長になった判事がいて、同じ日に
妻が殺された」といわれます。その判事は、その後残された家族らとともに殺
害されます。はたして、本当に主人公は30年前の判事と同じ運命をたどるのか
……。
韓国のサスペンス、特にホラー的な要素を持ったサスペンスは、どれもかなり
ハイレベル。この映画も、あの手この手で観客を恐がらせ、混乱させる、よく
できた映画です。
主人公の判事が妻の殺害の真相を追うのがドラマの中心。次から次へと謎が浮
上し、緊張感がまったく途切れません。怪しい人物もたくさん登場。主人公の
ライバルの検事、事務官、女性記者、義父、犯人として逮捕された男、元刑事
などなど。
映像や音の使い方も恐さや緊迫感を煽ります。背筋がゾクゾクするような場面
の連続です。
重苦しく、張り詰めた空気は、後半に行くに従ってますます加速。主人公がパ
ラレルライフの世界に取り込まれていき、自分と娘も殺されるのではないかと
いう恐怖に支配されていきます。タイムリミットが迫る中で、ギリギリの追跡
劇が続きます。
数々の謎に包まれながらも、ようやく少しずつ真相が見え始めたかと思ったら、
それがまた二転三転する展開。クライマックスも、娘をめぐって、主人公と犯
人とがガチンコのバトルを演じるかと思いきや意外な方向へ。
サスペンスとしての魅力は十分。さらにホラー的な魅力も備え、ドラマ性もあ
る見応えある作品。観客がパラレルライフを信じようが、信じまいが、その世
界に引きずり込んでしまう力技が見事です。
ただし、あまりにもたくさんの人間が複雑に絡み合っているので、混乱しそう
なのが難点かも。事件の真相に至る過程もテンコ盛りで、さすがにラストのあ
たりは食傷気味。結末はあれでいいとしても、そこに至るまでをもう少し整理
してもよかったかもしれません。
主演は「宮廷女官 チャングムの誓い」のチ・ジニ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（緊張感に満ちた密度の濃いサスペンス。パラレルライフを信じなくても引き
込まれてしまいます。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年8月8日(日)シネマスクエアとうきゅうにて。午後2時の回
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