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パリより愛をこめて（FROM PARIS WITH LOVE）
（2010年 フランス）（上映時間1時間35分）
監督：ピエール・モレル
出演：ジョン・トラボルタ、ジョナサン・リース＝マイヤーズ、エリック・
ゴードン、リチャード・ダーデン、カシア・スムトゥアニク
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/frompariswithlove/
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＜ストーリー＞
パリのアメリカ大使館に勤務するリース（ジョナサン・リース＝マイヤーズ）
は、実はCIAの見習い捜査官だった。地味な仕事ばかり担当する彼の夢は、正式
なエージェントになること。そんなある日、CIAからワックス（ジョン・トラボ
ルタ）という男と組んで任務を行うよう命じられる。だが、ワックスは任務の
ために手段を選ばず、人を撃つのもためらわない危険な男だった。彼のやり方
に戸惑うリースだったが……。
＜レビュー＞
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『96時間』コンビによる暴走アクションが魅力のスパイ映画
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リアリティなどまったくナシ。しっかりしたドラマもナシ。それでもまるで暴
走超特急のようなリーアム・ニーソンの暴れっぷりが潔かった『96時間』の製
作リュック・ベッソン＆ピエール・モレル監督のコンビによる映画。フランス
映画ですが、主要な人物がアメリカ人ということで、全編ほぼ英語です。
パリのアメリカ大使館に勤務する主人公リースは、実はCIA職員で、夢は正式な
エージェントになること。そんな彼が、アメリカからやってきたワックスとい
う男とコンビを組むように命じられて、大変なことに……というお話。
面白いのはリースとワックスの対照的なキャラクター。高学歴のエリートで、
およそ暴力的なこととは縁遠かったリース。それに対して、下品な言葉を吐き
まくり、ひたすら銃をぶっ放す乱暴者のワックス。この2人の迷コンビぶりがな
かなか楽しくて、バディ・ムービーとしての魅力があります。特にリースがワ
ックスに振り回されてヘロヘロになるところが笑えます。
いかにも優等生を絵に描いたようなジョナサン・リース＝マイヤーズ。スキン
ヘッドが似合いすぎるジョン・トラボルタ。2人ともピッタリの配役。
今回も『96時間』同様にリアリティはまったくナシ。街中であんなに銃をぶっ
放したり、爆弾を炸裂させたら、いくらCIAだって国際問題になるのは確実。
大したドラマも『96時間』同様にありません。せっかくフランスを舞台にして、
サミットやアメリカ大使館などを登場させているのに、それがほとんど生きて
いません。そもそもリースとワックスが追う事件だって、テロリストとそれに
資金を供給する麻薬組織を潰すという大味なもの。
しかし、そんなことはお構いなし。何でもアリで、徹底的にアクションを追求
します。そのパワーは圧倒的。なんたってワックスときたら、たくさん車が走
る普通の道路でロケット弾を容赦なくぶっ放すのですから。あまりにも凄まじ
すぎます。劇中で死んだ人の数もハンパではありません。
後半は、事件に関係した意外な人物が浮かび上がって盛り上がります。前半で
リースのロマンスが中途半端に描かれるのですが、それが後になって効いてき
ます。
そしてクライマックスに登場するのが先ほどの路上ロケット弾。そして、さら
にサミット会場でのあわやの場面。最後の最後までアクションの勢いだけで勝
負して、ちっとも飽きさせないから偉いものです。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（『96時間』ほどではありませんが、暴走アクションだけで最後まで飽きさせ
ない映画。アクションの好きな方はぜひどうぞ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年5月23日（日）新宿ピカデリーにて。午後2時10分の回
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