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フェーズ６（CARRIERS）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間25分）
監督・脚本：アレックス・パストー、デヴィッド・パストー
出演：ルー・テイラー・プッチ、クリス・パイン、パイパー・ペラーボ、エミ
リー・ヴァンキャンプ、クリス・メローニ
＊ 4月24日よりシネマスクエアとうきゅうにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.phase6-movie.jp
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＜ストーリー＞
致死率100％のウィルスが蔓延し、世界はゴーストタウン化していた。そんな中
で、感染を免れた兄ブライアン（ルー・テイラー・プッチ）と弟ダニー（クリ
ス・パイン）の兄弟は、兄の恋人ボビー（パイパー・ペラーボ）、弟の女友達
ケイト（エミリー・ヴァンキャンプ）とともに、幼い頃の思い出の海岸を目指
して車を走らせる。だが、感染した親子を同乗させたことから、徐々に計画が
狂い始めて……。
＜レビュー＞
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致死率100％のウィルス！極限状態の人間を描いたパニック・スリラー
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致死率100％のウィルスをめぐるパニック・スリラーです。主役の兄弟を演じる
のは、『スタートレック』のクリス・パインと『サムサッカー』のルー・テイ
ラー・プッチ。
オープニングがなかなか良い感じ。主人公兄弟が子供の頃にビーチで遊んでい
る懐かしい映像が流れます。続いて、彼らがそれぞれの恋人と女友達と４人で、
楽しくドライブしているシーン。バカ話をして楽しそうですが、実はウィルス
による人類絶滅の危機の中で、思い出のビーチで時が過ぎるのを待とうという
計画で、車を走らせていることがわかってきます。
その後は、ビーチを目指す４人のロードムービー的な展開が続きます。娘が感
染した親子と同乗するハメになったり、彼らに教えられて向かった新薬開発セ
ンターがとんでもないことになっていたり、無人だと思って泊まろうとしたホ
テルで命を狙われそうになったり……。そしてついに４人の中にも感染者が出
てしまうのでした。
映画のあちらこちらで、スリラー映画らしいハラハラドキドキのシーンが味わ
えます。ゴーストタウン化した街。それでも、もしかしたら誰かがいるかもし
れない。しかも、その人は感染者かも……。そんな恐怖をうまく使って観客を
恐がらせます。
それと同時に人間ドラマも描いているのがこの映画の特徴。極限状態に追い込
まれた人間が、どんな心理になり、どんな行動をとるのかをリアルに描きます。
隠されていた本性が現れてくるあたりは、ある意味、恐怖シーンより恐いかも
しれません。４人のキャラもきちんと描かれています。
監督はスペイン出身の新人の兄弟だそうですが、人間ドラマに重点を置くのは、
彼らの強い意向だったようです。確かに、見応えのある人間ドラマといえるで
しょう。
ただし、その分、直接的な恐さを期待する人にとっては、物足りないかもしれ
ません。恐怖シーンと人間ドラマとのバランスはうまくとれていますが、やや
パンチ不足の面も。
主人公たちが、時々無防備に振る舞うのも気になってしまいました。感染すれ
ば確実に死、感染者と接触してはダメ、感染者が24時間以内に触れたものは必
ず消毒する、というルールを念押ししているのだから。
とはいえ、パニック・スリラーとしての恐さと人間ドラマが同時に味わえる、
よくまとまった映画です。新型インフルエンザの流行は下火になったものの、
まだまだパンデミックの恐怖が去ったわけではないし、今後もこうした映画が
登場しそうです。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（ホラー映画的な恐さと極限状態の人間の恐さが同居した映画。先入観をあま
り持たずに観ることをオススメします。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年3月19日（金）シネマート試写室にて
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