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フィリップ、きみを愛してる！（I LOVE YOU PHILLIP MORRIS）
（2009年 フランス）（上映時間1時間37分）
監督・脚本：グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
出演：ジム・キャリー、ユアン・マクレガー、レスリー・マン、ロドリゴ・サ
ントロ
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://iloveyou.asmik-ace.co.jp/
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＜ストーリー＞
妻子と平穏な生活を送っていた警察官のスティーヴン（ジム・キャリー）は、
ある日、交通事故に遭ったのをきっかけに、自分に正直に生きようと決心し、
妻に自分がゲイであることを告白して家を出る。ゲイの生活にはお金がかかる
と詐欺師に転向した彼は、保険金詐欺で投獄されてしまうが、そこでフィリッ
プ（ユアン・マクレガー）という青年と運命的な恋に落ちる。やがて２人とも
出所するものの、スティーヴンはまたしても詐欺に手を染めてしまい……。
＜レビュー＞
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愛のために詐欺を続けるジム・キャリー。これが実話ですと！？
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ジム・キャリーとユアン・マクレガーがゲイのカップルを演じるユニークな映
画。
ゲイであることを隠して結婚生活を送っていた警官が、交通事故にあったのを
きっかけにカミングアウトして家を出ます。しかし、ゲイ生活にはお金がかか
るからと、詐欺を繰り返すようになり、ついに刑務所に入ります。そこで、美
青年と出会って恋に落ちた主人公。出所後に２人で仲良く暮らし始めるものの、
またしても詐欺師の道へ突入。刑務所→脱獄→刑務所を繰り返すのでした。
ゲイカップルによるラブストーリー。とはいえ笑いどころ満載のコミカルな映
画です。常識はずれの主人公の行状を面白おかしく描いていきます。
なにしろ主演がジム・キャリーですからね。大げさな演技がこういう映画には
ピッタリです。しかも、監督・脚本は、ビリー・ボブ・ソーントンがサンタに
扮した『バッド・サンタ』の脚本コンビ。そりゃあ、笑えますよ。
主人公の恋人役のユアン・マクレガーもいいんです。完全にゲイになりきって、
カワイイ美青年を熱演。この２人のラブラブシーンは、なんとも言えない不思
議な雰囲気。
ゲイの恋愛を描いているとはいえ、けっして彼らに寄り添っているわけではあ
りません。むしろ少し距離を置いたシニカルな視点で見つめます。けっこうき
わどい下ネタも満載。まさに何でもアリの笑い。ただし、あんまりお下劣過ぎ
ないように、ギリギリのところで寸止めしているのはなかなかの手腕です。
中盤以降、主人公の詐欺はどんどんエスカレート。その天才詐欺師ぶりとダマ
される人々のオマヌケぶりをテンポよく描きます。同時に、自分のせいで恋人
に嫌われたにもかかわらず、ひたすら思いを募らせる主人公のおかしくも哀し
い姿が描かれます。
その一方で、これといった人間ドラマはなし。主人公には養子に出されたとい
う過去の傷があったりしますが、そうした心の葛藤などはあまり描かれません。
ただし、さすがにラストは感動的な別れ。この映画唯一の泣かせどころで、涙
腺の弱い人はウルウルきちゃうかも。
と思ったら何ですと〜〜〜〜〜！！！ そんなアホな。それも詐欺だったのか
い！！！ いやぁ〜、まさかまさかのどんでん返し。よくやるなぁ〜。
実はこの映画は実話に基づいていることが、映画の冒頭で告げられます。それ
も二度も。そりゃそうですよね。そう言われなきゃ、まさかこれが実話だなん
て誰も思いませんから。そのぐらい破天荒な話。ちなみに主人公は懲役167年で、
現在も服役中だそうです。
アメリカが舞台の英語劇とはいえ、製作はフランス。製作総指揮のリュック・
ベッソンったら、味な映画を作りましたね。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（バカバカしくもちょっぴり切ないゲイカップルの恋愛ドラマ。気軽に笑って
楽しめる映画です。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年3月14日（日）新宿ピカデリーにて。午後2時50分の回
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