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プール
（2009年 日本）（上映時間1時間36分）
監督・脚本：大森美香
出演：小林聡美、加瀬亮、伽奈、シッテイチャイ・コンピラ、もたいまさこ
＊シネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほかにて全国公開中
ホームページ http://pool-movie.com/
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＜ストーリー＞
大学卒業を目前に控えた、さよ（伽奈）は、４年前に自分と祖母を残して家を
出た母・京子（小林聡美）に会うためにタイにやってきた。母が働く小さな
プールのあるゲストハウスには、オーナーの菊子（もたいまさこ）や市尾（加
瀬亮）、ビーという名のタイ人少年などが楽しく暮らしていた……。
＜レビュー＞
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タイを舞台に親子の確執と和解を描いた癒し系映画
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人気漫画家・桜沢エリカの原作を『かもめ食堂』『めがね』のスタッフが映画
化した作品。出演の小林聡美、もたいまさこも同じですが、今回の監督は荻上
直子ではなく脚本家でもある大森美香。
舞台がタイになっただけで、描かれる世界は『かもめ食堂』や『めがね』と同
じです。豊かな自然、おいしい食事とゆったりした時間。それを観ているだけ
で観客が癒されていくという癒し系映画です。
大きなことは何も起こりません。さよという女子大生がタイのゲストハウスを
訪問。そこには４年前に家を出て働く母の京子がいます。オーナー菊子や市尾
という青年、ビーというタイ人少年などとともに、そこで６日間を過ごすさよ
の日常が描かれます。
少ないセリフ、長めのカット、これぞまさにスローライフ。寝不足で行ったら
確実に熟睡できそうな映画。
登場する食事はとびっきりおいしそう。タイ料理はもちろん、和食、中華、お
やつ。市場の新鮮な食材も魅力的です。
この映画にはそうしたスローライフとともに、親子の確執と和解が描かれます。
自分の好きなことを貫く母親と、そうした生き方に反発する娘。最初はギクシ
ャクしていた２人が、スローライフの中で、少しずつお互いを理解するように
なります。
といっても、親子のドラマを深く描くわけではありません。お互いに思いをぶ
ちまけるシーンはあるものの、それも美味しい鍋料理の中に溶け込んでいって
しまうところが、いかにもこの映画らしい。さりげなく親子の心情を描き出す
だけで、それ以上深いところには突っ込みません。
同時に、タイ人少年ビーの母親探しを通じて、親子とは何か？家族とは何か？
というテーマを二重に提示していますが、そちらのドラマも薄味。
そのあたりが物足りなく思える人もいそうですが、まあこの映画のタッチには
ピッタリでしょう。
劇中で小林聡美が披露する歌（なかなか達者）も含めて、全編がまさに癒し系
の映画です。
《ぽちの満足度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（癒し系の映画で疲れた時には最適、食べ物もおいしそう。『かもめ食堂』
『めがね』の世界が好きだった方にはオススメ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年9月22日（火）新宿ピカデリーにて。午後5時の回
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