|
ＰＲＯＭＩＳＥ（無極）
（2005年 中国・日本・韓国）（上映時間２時間４分）
監督・脚本：チェン・カイコー
出演：真田広之、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン、ニコラス・ツェー、
リウ・イェ、チェン・ホン
＊サロンパス ルーブル丸の内ほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
戦乱の世で孤児となった少女・傾城（セシリア・チャン）は、女神との「真実
の愛を得ることはできない」という条件と引き換えに、何不自由ない暮らしを
約束され王妃となる。やがて無敵を誇る大将軍・光明（真田広之）は、王を助
けに行く途中で、ライバル無敵（ニコラス・ツェー）が放った刺客によって負
傷し、鎧を奴隷の昆崙（チャン・ドンゴン）に託して王救出を命じる。だが、
昆崙は傾城に目を奪われて王を殺し、傾城とともに逃げる。傾城は昆崙を光明
と信じて、彼を運命の人と思い込むのだが……。
＜ストーリー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
別世界のように美しい映像美と空っぽの悲恋物語
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
素晴らしい映像美です。さすがにチェン・カイコー監督です。赤、青、白、黄
……、驚異の色彩感覚で描く歴史絵巻。よくもまあこんなにスゴイ映像がつく
れるものです。
オープニングの美しい樹木（桜？）、そして女神と傾城の約束のシーン……。
言葉も出ないほど鮮やかな映像の連続。
戦闘シーンを中心にＣＧをふんだんに使った迫力の映像も飛び出します。ス
ケールのデカさは、このテの映画の中でもトップクラス。
だけど、ドラマはどうなんだ！？
歴史ものとはいえ神話のような話だから、リアリティーはそんなに求めません。
劇画的なタッチを意識しているのもよくわかる。
とはいえ、笑えるほどのやりすぎは困ったもの。チャン・ドンゴン扮する昆崙
が、猛牛の群れに追われて四つんばいのまま猛スピードで逃走するシーンなん
て、「妖怪大戦争」かと思っちまいましたヨ。
登場人物のキャラクターが立っていないのもつまらない。チャン・ドンゴンや
ニコラス・ツェーはともかく、真田広之はあれじゃ、若い女にメロメロになっ
たエロオヤジ。現代劇で、セクハラ上司でもやらせるといいかもしれませぬ。
冒頭の女神と傾城との約束も、その後のドラマに全然生かされていないんだよ
なぁ〜。ドラマの展開もいい加減だしさぁ。深みなんてものはちっともありゃ
しません。
登場人物の心理がちゃんと描かれていないから、こちらに伝わってくるものが
ないんだよねぇ〜。悲恋物語のはずなのに、悲しくも切なくもないんだもん。
ここまで映像とドラマに差がある映画って、ある意味貴重かも！？
途中で飽きちゃって、「チャン・ドンゴンって、ちょっと陣内孝則に似てな〜
い？」てな全然関係ないことばかり考えちゃいました。
チェン・カイコー監督といえば、『黄色い大地』（1984）で目を見晴らせ、
『さらば、わが愛／覇王別姫』（1993）で素晴らしい才能を発揮した監督。続
く『始皇帝暗殺』（1998）はイマイチで、その次にハリウッドで撮った『キリ
ング・ミー・ソフトリー』（2001）はつまらん官能サスペンスでガッカリ。と
はいうものの、前作『北京ヴァイオリン』（2002）で、きちんとした人間ドラ
マを描いていたので、「今回も……」と期待したボクがバカでした。まさかも
う終わったわけじゃないでしょう？
まあ、とにかく、スゴすぎる映像に酔う映画です。それ以外はほとんど見どこ
ろがありません。それでモトが取れるかどうかはアナタの判断次第。
《ぽちのオススメ度》
★☆☆☆☆（＋1／2★）
（あまりにすごい映像と物足りないドラマ。チェン・カイコーでなければもう
少し評価は高いでしょうけど……。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2006年２月11日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後５時の回
[レビュートップページ][「ふ」のページ]〔「アルファベット」のページ〕 |
|