レッドクリフ PartT(RED CLIFF)


(2008年 アメリカ・中国・日本・台湾・韓国)(上映時間2時間25分)
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ビッ
キー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン
*日劇1ほかにて全国公開
ホームページ http://redcliff.jp/
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<ストーリー>
西暦208年、曹操率いる80万の魏軍は、劉備軍、孫権軍の征討に向け南下を開始
した。わずか2万の劉備軍は撤退が遅れ、全滅の危機に直面するが、関羽と張
飛の活躍によって逃げ延びる。蜀の軍師・孔明(金城武)は劉備に、同じく魏
に降伏を迫られている呉の孫権と同盟するよう進言し、自ら孫権のもとへと向
かう。孔明は孫権軍の司令官・周瑜(トニー・レオン)と面会するのだが……。

<レビュー>
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「三国志」を知らなくても楽しめる迫力の歴史スペクタル
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日本でもおなじみの中国の「三国志」。その中の"赤壁の戦い"を描いた歴史ス
ペクタクルの第一部(第二部は来春公開)。

実は、筆者は「三国志」に関する本の原稿を書いたことがあるのですが、一夜
漬けで勉強しただけで詳しいことは知りません。でも、本編前にドラマの背景
をきちんと紹介してくれるから、「三国志」を知らなくても大丈夫。本編内で
も主要な人物の登場シーンには、何度も紹介テロップが出るので、そんなに混
乱することもないはず。曹操VS劉備・孫権連合軍という戦いの構図もわかり
やすいですからね。

この映画で最もすごいのは、やっぱりアクション。製作費100億円とのことで、
すさまじい数の兵士と馬による戦闘シーンは圧倒的な迫力です。あっちこっち
で言われているように、黒澤明の『七人の侍』と似た雰囲気の映像もたくさん
あります。

集団対集団の戦いの中で、1対1の戦いをきちんと見せているのも特徴。当然
ながら、CG全開なのですが、それをあまり感じさせないところも魅力です。

作戦も面白いんです。「あら、そうくるの???」てな奇想天外な戦法が次々
に飛び出します。兵の陣形を俯瞰で見せる映像がとても効果的です。

金城武演じる諸葛孔明とトニー・レオン演じる周瑜との友情のドラマをはじめ、
戦闘シーン以外もなかなか見応えがあります。

基本的には男のドラマですが、数少ない女性陣も存在感のある描き方になって
います。周瑜とモデルのリン・チーリンが演じる奥さんとの愛情物語などもソ
ツなく織り込まれているし、孫権の男勝りの妹(演じるのは『少林サッカー』
のビッキー・チャオ)の話などもあって観客を飽きさせません。その他の登場
人物も個性的で、キャラが立っています。

エピソードも出色です。水牛泥棒の話とか、馬の出産の話とか、諸葛孔明と周
瑜の合奏とか、印象的なエピソードがテンコ盛り。

まあ、それほど深みがあるドラマではありませんが、エンタメ映画としては十
分ではないでしょうか。

ジョン・ウー監督の映画には白い鳩がつきものですが、この点も抜かりなし。
今回もちゃんと鳩が活躍します。ただし、もう一つのトレードマークの二挺拳
銃は、さすがにここじゃ出せませんよね(笑)。

この映画はあくまでも第二部の序章で、これだけで観ると物足りなさも残りま
す。最後も尻切れトンボ。

それでも、コアな「三国志」ファンでないフツーの人でも楽しめるように作ら
れたエンタメ映画として、それなりに楽しめるし、第二部に期待を抱かせる作
品になっていると思います。

ちなみに、観るならやはり映画館の大スクリーンで観ることをおすすめします。
迫力が違いますから。

《ぽちの満足度》
★★★☆☆

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(第二部を観ないと何とも言えませんが、エンタメ映画としてはなかなかのも
のでしょう。観るなら映画館の大スクリーンで観ることをおすすめします。)
                              (田中ひろあき(ぽち))
〔鑑賞データ〕
2008年11月3日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時30分の回


[「れ」のページ]




レッドクリフ PartT
ジョン・ウー
トニー・レオン
金城武
ビッキー・チャオ