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ロッキー・ザ・ファイナル（ROCKY BALBOA）
（2006年 アメリカ）（上映時間１時間43分）
監督・脚本・主演：シルヴェスター・スタローン
出演：バート・ヤング、アントニオ・ターヴァー、ジェラルディン・ヒューズ、
マイロ・ヴィンティミリア、トニー・バートン
＊ TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://movies.foxjapan.com/rockythefinal/
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＜ストーリー＞
元ボクシング・ヘビー級チャンピオン、ロッキー・バルボア（シルヴェス
ター・スタローン）は、今は引退してレストランを経営していた。妻エイドリ
アンはすでに他界し、息子ロバートは父に反発して家を出ていった。そんな中、
心の喪失感を埋めようと再びボクシングを始めたロッキーは、現役世界王者と
戦うことになるのだが……。
＜レビュー＞
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スタローンの熱〜い思いが伝わるシリーズ最終作。がんばれオヤジ！！
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シルヴェスター・スタローンの代表作「ロッキー」シリーズの６作目。第１作
から30周年を迎え、ついに完結！！！
というとカッコよく聞こえますが、結局のところアイデア欠乏症のハリウッド
がスタローンをその気にさせてつくった映画なわけです。
だから、観る前は「どうせつまらん映画でしょ」と思っていたのですが……。
熟年のオッサンがボクサーとしてカムバックするお話。引退してレストランを
経営するかつての名ボクサーのロッキー。愛妻をガンで亡くし、おまけに一人
息子との関係もこじれ、満たされない日々を送っている。
そんな中、テレビ番組の企画で現役チャンピオンとのコンピュータ対決が行わ
れたのをきっかけに、ロッキーは復帰への道を歩み始める……。
前半は、けっして不幸とはいえないけれど、満たされない日々を送るロッキー
の姿が、過去の思い出の数々を散りばめつつ描かれます。息子との確執、亡き
妻との思い出、レストランの客相手に語る過去の栄光……。
そこに、義兄のポーリーや少女時代からの知り合いで今はシングルマザーのマ
リー、そして彼女の息子との交流などが描かれます。
まあ、しかしありきたりの描き方で、ストーリーといい、演出といい、さして
目を見張るようなところはありません。過去の作品のファンなら、それなりに
グッと胸に来るのでしょうが、そうでない人には物足りないかも。
その中で、感心したのはロッキーが復帰を決意する経緯。たとえば金のためと
か、息子に勇姿を見せるためといった安易な動機をつくりがちですが、そうは
なっていません。動機を明確にせず、ロッキー自身に「自分にもわからない」
と言わせてしまうのです。
彼の胸の奥底にあったのは、燃え尽きぬ情熱。残りの人生を前にして、過去の
延長線上で生きているような自分に対して「このままでいいのか！！」という
疑問があり、それが眠っていた情熱に火をつけたのではないでしょうか。とて
も単純に語れるような思いではなかったはずです。
後半はさすがに見応えがあります。激しいトレーニング（生卵飲みや生肉叩き
などおなじみのネタも登場）がテンポよく描かれ。クライマックスの現役チャ
ンピオンとの試合へとなだれ込みます。
この試合をタイトルマッチなどにせず、エキシビションとしたのは納得できる
設定。そして試合描写は見応えタップリ。「これがホンモノのボクシング映画
だ！」と主張するかのように、リアルに、熱く、ロッキー最後のバトルを描い
ています。結末はわかっていても、感動しちゃいますねぇ〜。あれは。
正直なところ、映画自体の出来はまずまずといった程度。しかし、この映画は
もはや出来がどうのこうのという次元を越えています。監督・脚本・主演の３
役をこなしたスタローンの「ロッキー」に対する熱い思いが、スクリーンを覆
い尽くしています。
同時に、そこには、かつての大スターの、「もう一度主役をやるんだぁ〜！」
という執念のようなものも漂っていました。
「オレはこの年でこれだけやったんだぜ。さあ、お前たちはどうなんだ？」と
観客に問いかけるようなスタローンのガッツポーズが印象的です。同世代なら
ずとも元気になれる映画。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（映画のデキはまずまず。とはいえ、そういう次元を超越した映画。過去の作
品のファンの方は必見。熟年オヤジに励まされたい方もどうぞ）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年4月22日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の回
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