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幸せのレシピ（NO RESERVATIONS）
（2007年 アメリカ）（上映時間1時間44分）
監督：スコット・ヒックス
出演：キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ、アーロン・エッカート、アビゲイル・
ブレスリン、 パトリシア・クラークソン、ボブ・バラバン
＊丸の内ピカデリー1ほかにて全国公開中
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/noreservations/
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＜ストーリー＞
マンハッタンの高級レストランの女料理長ケイト（キャサリン・ゼタ＝ジョー
ンズ）は、料理の腕は確かだが、人付き合いが苦手。ある日、姉が事故で亡く
なり、遺された９歳の姪ゾーイ（アビゲイル・ブレスリン）を引き取ることに
なる。だが、子どもとの接し方がわからず苦悩するケイト。おまけに、職場で
は知らないうちにニック（アーロン・エッカート）が副料理長として加わり、
ケイトはなおさら苛立つのだった……。
＜レビュー＞
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ソツなくまとめたリメイク映画。ここでもイタリア男は強し！
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仕事一筋で人間性を見せない女性が、一人の男の出現で変わっていく。そんな
ありふれた話に「姪」という存在を加え、さらに「料理」というスパイスを振
りかけたのがこの映画。
といっても、もともとは2001年のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』がオリジ
ナルで、そのリメイク版です。
感心するのは、オリジナルの設定やストーリー展開をほぼそのまま踏襲してい
るところ。主人公をはじめ主要人物のキャラクターもだいたい同じです。オリ
ジナルはドイツ映画というだけで、中身は十分に世界で通用する面白い映画。
それだけに、あえて大幅な変更を避けたのでしょう。その判断が、この映画を
成功に導いています。
とはいえ、舞台はアメリカだけに、アメリカ的な要素も加えられています。例
えば、主人公がセラピーに通っているところは、確かオリジナルにはなかった
はず。
前半は、仕事一筋でギスギスした毎日を送っていた主人公ケイトが、突然姪
ゾーイと暮らすことになり、戸惑う姿が描かれます。子供の気持ちがわからな
いケイト。しかも、ゾーイは母を亡くして心に傷を負っています。戸惑いつつ
も、どうにか心を通わせようと苦闘するケイト。
そして、職場にも悩みの種が。ケイトが休んでいる間に、陽気なイタリア好き
の男ニックが副料理長として加わり、彼女のペースを乱し始めます。ニックが
自分を追い出すと考えたケイトは強く反発するようになります。
しかし、そんな中でも、少しずつゾーイと心を通わせるようになり、そしてニ
ックとも……。
ゾーイとの関係の変化や、ニックとの恋の行方など、どれもお手軽な展開で深
みはありません。それでも、オリジナルの魅力を活かしてソツなくまとめてい
ます。どれも美味しそうな料理の使い方をはじめ、ディテールの組み立て方が
巧みです。
監督はスコット・ヒックス。元々ドキュメンタリー出身で、1995年の『シャイ
ン』で一躍有名になった監督。その後も『アトランティスのこころ』『ヒマラ
ヤ杉に降る雪』と渋い作品を監督しています。さすがに落ち着いた安定感のあ
る演出です。
結末はまさに予定調和の安心して観られる展開。無理やり感動に持っていった
りしないで、さりげなく終わるあたりは好感が持てます。
ただし、オリジナルほどの深さはないように思えます。オリジナルは、一人の
女性が変わっていく人間ドラマとしての側面がよく出ていて、女性の観客が勇
気付けられるような作品。しかし、この映画は、ごくフツーのハッピー・ス
トーリーという感じ。それ以上でもそれ以下でもなし。その分、誰でも安心し
て楽しめる映画には仕上がっていますが。
主役のキャサリン・ゼタ＝ジョーンズは華やかだけれど、主人公の微妙な心理
の変化を表現するには、貫禄ありすぎでは？ 個人的にはイマイチ似合ってい
ないように思えました。
それに対して、ゾーイ役の『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブ
レスリンがムチャクチャに可愛いんです。彼女の起用は大成功。ニック役の
アーロン・エッカートもピッタリ。できればもっとハジケて欲しかったけれど、
本物のイタリア男じゃないからしょうがないか！？
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（オリジナルには及ばないものの、全体にそつなくまとめて誰でも楽しめるよ
うになっています。女性はもちろん男性も楽しめそう。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年9月29日（土）池袋シネマサンシャインにて。午後1時15分の回。
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