書道ガールズ!! わたしたちの甲子園


●『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』
(2010年 日本)(上映時間2時間1分)
監督:猪股隆一
出演:成海璃子、山下リオ、桜庭ななみ、高畑充希、小島藤子、金子ノブアキ、
市川知宏、 森崎ウィン、森岡龍、坂口涼太郎、宮崎美子、朝加真由美、おかや
まはじめ、山田明郷、森本レオ、織本順吉
*新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/shodo-girls/
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<ストーリー>
四国中央高校の3年生、早川里子(成海璃子)は書道部部長だが、部はさびれ
る一方。里子自身も、書道家の父に認めてもらえずモヤモヤした日々。そんな
ある日、臨時教員で書道部顧問になった池澤(金子ノブアキ)から「つまらな
い字」と言われた里子は反発する。さらに、池澤が音楽に乗せて披露したパフ
ォーマンスに部員の清美が夢中になったことから、里子はますます面白くない。
それでも実家の文具店の閉店セールを盛り上げるために、書道パフォーマンス
をしたいという清美に、渋々協力するのだが……。

<レビュー>
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書道にかける高校生たちによる町おこしのドラマ
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音楽やダンスに合わせて集団で、巨大な紙の上に筆で文字を書く「書道パフ
ォーマンス」を素材にした青春映画。実話をもとにした物語だそうです。

物語のターニングポイントは主人公の書道部部長・里子の変化。頑なな心で
「書道は個人のもの」と言い張っていた彼女が、臨時教員で書道部の顧問の池
澤や部員たちによって、書道の楽しさや仲間の存在の大切さに気づき、みんな
とともに目標に向かって進んでいく姿が生き生きと描かれています。

里子たちの目標は、「書道パフォーマンス甲子園」の開催とそこでの優勝。し
かも、それは町の再生を願った町おこしのイベントでもあります。紙の町とし
て知られながら、不況でどんどん商店がつぶれるなど衰退していく町を、書道
のイベントで活気づけようというわけです。

ドラマの基本はもちろん里子の成長物語。同時に厳格で書道パフォーマンスな
ど認めようとしない父と里子の対立と和解のドラマ、書道に行き詰まりやる気
をなくしていた池澤の復活のドラマ、売れなくなった和紙の作り手の老人の悲
劇など、様々なドラマも描かれます。

これだけたくさんのエピソードが詰め込まれているにもかかわらず、窮屈な感
じがしないのだから立派なもの。コミカルで笑えるところもたくさんあります。

後半で大きなポイントになるのが、家庭の事情もあって里子と距離ができてい
た部員をみんなで呼び戻す感動のドラマ。

そして、クライマックスは圧倒的な迫力の書道パフォーマンス。成海璃子はじ
め出演者が自ら素晴らしいパフォーマンスを見せます。躍動感タップリでわく
わくするシーン。まるでスポーツを見ているようです。

この時、里子たちが描いたのは「再生」の文字。それは町の再生だけでなく、
何重もの意味を持つ文字です。

『武士道シックスティーン』の主人公とやや共通するところもあるキャラを演
じた主演の成海璃子に加え、山下リオなど他の部員たちのキラキラした輝きも
魅力的でした。池澤先生役の金子ノブアキもいい味を出しています。

すがすがしくて、躍動感にあふれた青春ドラマ。観終わってさわやかな気分に
なれること間違いなし!

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)

<ぽちのオススメ度>
★★★☆☆(+1/2★)
(さわやかで、すがすがしい青春ドラマ。迫力の書道パフォーマンスも見応え
あり。)
                             (田中ひろあき(ぽち))

〔鑑賞データ〕
2010年5月15日(土)池袋シネマサンシャインにて。午後3時50分の回


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