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ザ・シューター／極大射程（SHOOTER）
（2007年 アメリカ）（上映時間２時間５分）
監督：アントワン・フークア
出演：マーク・ウォールバーグ、ダニー・グローバー、マイケル・ペーニャ、
ケイト・マーラ、イライアス・コティーズ
＊日劇3ほか東宝系にて全国公開
ホームページ http://www.shooter-movie.jp/
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＜ストーリー＞
アフリカで偵察任務に就いていた米海兵隊の狙撃手ボブ・リー・スワガー
（マーク・ウォールバーグ）は、作戦中に援軍に見捨てられ、相棒が命を落と
してしまう。３年後、山中で隠遁生活を送っていた彼のもとに、退役したジョ
ンソン大佐（ダニー・グローバー）が訪ねてくる。発覚した大統領暗殺計画の
阻止に協力して欲しいというのだが……。
＜レビュー＞
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マーク・ウォールバーグの正攻法のアクションが楽しめるサスペンス
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原作（スティーヴン・ハンター『極大射程』）はかなりの評判だったようです。
『このミステリーがすごい！』で１位に輝いたとか。
主人公は射撃の名手スワガー。遠方からも正確に的を射抜く腕前の持ち主。し
かし、海兵隊員としてアフリカで作戦中に味方に見捨てられ、相棒を失ってし
まう。
それが原因で国家を信じられなくなり、山中で隠遁生活を送っていたスワガー。
そこにジョンソン大佐がやってきて、遊説中の大統領暗殺計画を阻止するのに
協力して欲しいという……。
「て、そんな面倒なことするよりも、大統領の遊説を中止したら暗殺されない
だろう！」というツッコミはこの際やめておきましょう（笑）。
要するに国に裏切られて世捨て人になっていた主人公が、「国のため」と言わ
れて狙撃犯の割り出しに協力するわけです。そこには当然ながら、激しい葛藤
があるはずです。
でも、ない……。いや、ないわけじゃなくて多少はあるけど、セリフで説明す
るぐらいで心理描写が浅すぎます。
しかも、彼ったら、またしても裏切られて、彼自身が暗殺犯に仕立てられてし
まうのです。当然ながら、そこには深い絶望があるはずです。
でも、ない……。いや、こちらもないわけじゃないのですが、やっぱり心理描
写が浅すぎます。
ただし、濡れ衣を着せられたスワガーが、必死で追っ手から逃れる姿はスリリ
ング！ 元相棒の妻や、事件に疑問を持ったＦＢＩ捜査官を無理やり仲間に引
き入れ、あの手この手で逃げまくります。
全編に漂う緊迫感は半端なものではありません。それほどドハデな仕掛けがあ
るわけではありませんが、射撃のスリルを中心に緊迫感を積み重ねていきます。
マーク・ウォールバーグの正攻法のアクションも魅力。敵方との息を飲むよう
な攻防戦が繰り広げられます。
事件の背後には、冒頭で描かれたアフリカでの出来事が絡んでいます。それを
知ったスワガーは、自分を陥れた連中に対して復讐を企てていきます。激しく
熱い復讐劇も、なかなか見応えアリです。
ただし、さすがに原作を凝縮したせいか。詰め込みすぎの感はぬぐえず。その
せいかテンポもイマイチよくありません。
そして、すでに述べたように心理描写がダメ。主人公の心情がきちんと描かれ
ていません。
さらに、国家や権力の腐敗ぶり、非情さなど、物語の背景にあるテーマもサラ
ッとしか触れられていないので、どうも物足りない感じ。
原作を読んでいない筆者も、それなりに楽しめた映画ではありますが、イマイ
チ傑出したものがない。うーん……。
原作のおもしろさは伝わってくるので、その入門編としてはまあまあ合格点の
映画かも。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（あまり目立つところはないものの、それなりに楽しめます。こういうタイプ
の映画が好きな方とマーク・ウォールバーグのファンはどうぞ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2007年6月2日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前10時の回。
〔「さ」のページ〕 |
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