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スナイパー：（THE SNIPER）
（2009年 香港）（上映時間1時間26分）
監督・製作：ダンテ・ラム
出演：リッチー・レン、エディソン・チャン、ホアン・シャオミン、ボウイ・
ラム、ジック・カオ、ウィルフレッド・ラウ、リウ・カイチー、マンゴ・ウォ
ン、チャーマイン・フォン、ミシェル・イエ
＊4月17日（土）よりシネマ・アンジェリカにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.interfilm.co.jp/sniper/
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＜ストーリー＞
香港特殊任務部隊SDUに入隊した新人狙撃手のOJ（エディソン・チャン）は、か
つてその部隊に所属していた狙撃の名手リン・ジン（ホアン・シャオミン）の
存在を知る。彼は隊長のフォン（リッチー・レン）のライバルだったが、銀行
強盗事件で命令を無視して人質を射殺してしまったことで、過失致死罪に問わ
れて刑務所に服役していたのだった。そんな彼が出所し、自分を刑務所に送っ
た警察に対して復讐を開始するのだが……。
＜レビュー＞
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エディソン・チャン最後の香港映画出演作はスリリングなガンアクション
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ジョニー・トー映画の常連のリッチー・レン、『インファーナル・アフェア／
無間序曲』などで人気者になったエディソン・チャン、そして『女帝 エンペ
ラー』でチャン・ツィイーと共演したホアン・シャオミンという中国語圏の人
気俳優が集合した豪華な香港アクション映画。
……として注目されるはずだったこの映画。ところが公開前に、エディソン・
チャンのプライベートビデオ流出というスキャンダルによって、別な意味で注
目されてしまいました。結局、エディソンは責任を取って香港映画界から引退
したため、最後の香港映画出演作品となってしまいました。
しかし、そういうことを抜きにして、なかなか面白い映画です。
冒頭は特殊部隊とOJとが事件を通して出会う緊迫のシーン。その後は、特殊部
隊にスカウトされたOJたちの訓練のようすなどが描かれます。射撃の際の独特
の呼吸法がユニーク。
やがてかつての隊長のライバルで、人質を射殺したことで刑務所に入っていた
リンが出所。警察に対して戦いを挑みます。それに並行して、隊長とリンの間
に何があったのかが明らかにされます。2人の複雑な心理などが描かれ、男と男
の静かで熱いドラマが展開。2人のキャラクターがクッキリと描かれ、さらに新
人のOJのキャラをかつてのリンにダブらせます。
全編を通してアクションシーンはかなりの迫力。狙撃が主任務の部隊だけに、
ガンアクションが満載です。お互いがどこに隠れているかわからないままに、
敵と味方が対峙するシーンなど、息詰まるようなスリルが味わえます。高所か
らの落下など、いかにも香港映画らしいアクションも盛り込まれています。
そんな中で、奇妙なのがリンの妻。おかしな会話の連続で、存在感がまったく
なし。最初は登場させる意味が理解できなかったのですが、なるほどそういう
ことでしたか。実は、この奥さんには大きな秘密があって、それを通してリン
の狂気を表現していたのでした。
クライマックスはこの映画最大のスリリングな銃撃戦。男と男のラストバトル
にふさわしいゾクゾクするようなシーンです。
役者では、話題のエディソン・チャンに加え、ホアン・シャオミンがもうけ役。
狂気に走る男を熱演していました。隊長役のリッチー・レンの渋さも魅力。
1時間半弱の短い映画のため、十分に描ききれていない部分もありますが、全体
を通して見応えのある映画でした。特に『インファナル・アフェア』をはじめ
とする香港ノワールの独特の暗さ、苦さ、緊迫感をうまく取り入れていたのが
印象的でした。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（男と男のスリリングなガンアクションが堪能できる映画。香港ノワールが好
きな方にもオススメ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2010年3月15日（月）京橋テアトル試写室にて
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