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それでも恋するバルセロナ（VICKY CRISTINA BARCELONA）
（2008年 アメリカ・スペイン）（上映時間1時間36分）
監督・脚本：ウッディ・アレン
出演：スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、
レベッカ・ホール、パトリシア・クラークソン、ケビン・ダン、クリス・メッ
シーナ
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://sore-koi.asmik-ace.co.jp/
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＜ストーリー＞
婚約者もいる真面目なヴィッキー（レベッカ・ホール）と、自由奔放なクリス
ティーナ（スカーレット・ヨハンソン）はアメリカを離れ、バルセロナでバカ
ンスを楽しむ。そこに現われたのが画家フアン・アントニオ（ハビエル・バル
デム）。最初はクリスティーナが彼に惹かれ、続いてヴィッキーも。だが、そ
んな中、彼女たちの前に突然フアンの元妻マリア・エレーナ（ペネロペ・クル
ス）が現れる……。
＜レビュー＞
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恋愛は自分でするより、見ているほうが絶対に面白いのだ！
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スペインのバルセロナを舞台にした恋愛模様です。
２人のアメリカ人女性、婚約者もいる真面目なヴィッキーと、自由奔放なクリ
スティーナが、バルセロナに滞在。その前に現れたのが、画家のフアン・アン
トニオ。典型的な芸術家タイプの彼は、２人をナンパ。旅に誘う。最初はクリ
スティーナがその気になって、ヴィッキーはいやいや同行するのだが、それが
ひょんなことから逆転。ヴィッキーのほうが画家とデキてしまうことに。
しかし、婚約者がいることもあって深追いしないヴィッキー。すると、今度は
クリスティーナと画家が仲良くなってしまうという再逆転。さて、これで落ち
着くかと思いきや、なんとそこに画家の元妻が出現して、３人の奇妙な同居生
活がスタート。
一方、ヴィッキーはアメリカから来た婚約者と結婚して新婚生活を始めるもの
の、画家への思いが拭い去れず憂鬱な日々。
というわけで、いろいろな人たちが入り乱れた恋の大乱戦。登場する人物がみ
んな個性派です。なかでもペネロペ・クルス演じる画家の元妻ときたら、すさ
まじいぶち切れ女で、激情からあわや殺人まで犯しそうになるのだから、やれ
やれ。その夫のハビエル・バルデム演じる（今までの役柄と一変したプレイ
ボーイぶりが笑えます）画家、スカーレット・ヨハンソン演じるクリスティー
ナ、レベッカ・ホール演じるヴィッキーといずれも超がつく個性派です。
描かれているのは恋愛ですが、けっしてマジメな恋愛ドラマではありません。
これは恋愛というゲームを楽しむドラマなのです。
当人たちは真剣だったり、苦しかったりしても、はたから見ていると面白くて
しょうがないのが他人の恋愛。それを熟知したうえで、ウディ・アレン監督が、
恋愛ゲームの醍醐味をあますところなく見せてくれます。
「あら、まあ、そうきますか」と展開の妙に感心するばかり。まるでカード
ゲームでも見ているかのようです。
全編に流れるナレーションで、人物の心理や行動をいちいち説明しているので
すが、そこから感じられるのはシニカルで冷めた視線。「アホやな。コイツら。
でも面白いやんけ」という監督の声が聞こえてきそうです。
最後のほうの展開なんて、ノリノリで面白がって人物を動かしていますからね
ぇ。しかも、俳優たちも、それを楽しんでいるからますます楽しいワケ。
監督も、役者も、観客も、恋愛というゲームを満喫する映画。そういう視点で
見られるかどうかが、この映画を楽しめるかどうかのポイントです。
恋愛は自分でするよりも、人の恋愛を一歩引いて見ているのが一番面白いの
だ！
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（普通の恋愛映画ではありません。「恋愛ゲーム」を楽しむ映画なのでそのつ
もりで。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年7月1日（水）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前10時30分の回
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