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スペル（DRAG ME TO HELL）
（2009年 アメリカ）（上映時間1時間39分）
監督：サム・ライミ
出演：アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング、ローナ・レイバー、ディ
リープ・ラオ、デビッド・ペイマー、アドリアナ・バラッザ、チェルシー・ロ
ス、レジー・リー、モリー・チーク、ボヤナ・ノバコビッチ、ケビン・フォス
ター
＊TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://spell.gaga.ne.jp/index.html
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＜ストーリー＞
銀行の融資係の女性、クリスティン・ブラウン（アリソン・ローマン）は、昇
進のチャンスを前にして、老婆・ガーナッシュ（ローナ・レイヴァー）の必死
の懇願を拒絶して不動産ローン延長の申請を拒否する。するとその夜、クリス
ティンはガーナッシュに襲われ、３日後に地獄に引きずり込まれるという恐ろ
しい呪いをかけられる……。
＜レビュー＞
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サム・ライミ監督の久々のホラー映画。恐怖の波状攻撃が素晴らしい！
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『スパイダーマン』シリーズでおなじみのサム・ライミ監督によるホラー映画。
ライミ監督は、もともと『死霊のはらわた』などのホラー映画で有名になった
人。ホラー映画専門レーベル"ゴーストハウス・ピクチャーズ"も設立している
し、こういうジャンルはお手のもの。
銀行の融資係のクリスティンという女性が、不気味な老婆のローン延長を拒否
したところ、逆恨みされて襲撃されナゾの呪文（スペル）を浴びせられます。
それから彼女の周りで不思議なことが次々に起きます。なんとクリスティンは、
悪夢が３日続き、最後には地獄へ引きずり込まれるという恐ろしい呪いをかけ
られたのです……。
主人公の昇進話や恋人とのロマンスなども織り込みつつ話が展開しますが、基
本的には典型的な悪霊もののホラー。主人公が呪いを解くために、霊能力者な
どとともに悪霊と対決するという、ありがちなお話です。
しかし、そんなありがちな話も、サム・ライミの手にかかると実に恐ろしい背
筋ゾクゾクの映画になってしまいます。
主人公を襲う怪奇現象を様々な手口を使って迫力タップリに描き、観客の恐怖
を煽っていきます。特にショックシーンの登場のタイミングが絶妙。観客の恐
怖が最高潮に高まったところで、いったん静かなシーンに移行し、再びショッ
キングなシーンへ移行するタイミングが素晴らしい。おかげで、観ていてまっ
たく気が抜けません。
たとえばハエが主人公の体内に入るあたりは、一歩間違えばオバカなＢ級ホ
ラー。思わず笑ってしまいそうになるものの、そこをギリギリで踏みとどまる
のがライミ監督の力量。音楽や効果音の使い方も巧みです。
クライマックスはベテラン霊能力者（オープニングの40年前のエピソードとリ
ンク）がリードして、悪霊との全面対決。これで決着かと思いきや、まだまだ
出口は見えません。
そこで提示される意外な悪霊払いの方法。「おいおい、そんなの最初に言え
よ」と一瞬思ったものの、その後も続く恐怖の波状攻撃。
究極の選択を迫られた主人公が葛藤するギリギリの場面を経て、墓場での鬼気
迫るシーンへと突入。クリスティンが、それまで見せたことのない鬼気迫る表
情で泥まみれになって奮闘します。クリスティンを演じるのは、『ホワイト・
オランダー』『ビッグ・フィッシュ』のアリソン・ローマン。
そして、エンディングはすべてが片付いてハッピーエンド……と思ったらアラ
アラアラ。やっぱりそう来ましたか。ある程度予想はしていたものの、それで
も最後の最後までゾクゾクさせられてしまいました。
ホラー映画はコワくなければ話になりません。その点、実によくできた映画で
す。しかも、観終わった後はすっきり。ありがちなＢ級テイストの話を、見事
なエンターティメント・ホラーにまとめています。テーマパークのお化け屋敷
なんかより、こっちのほうが面白い！
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちの満足度》
★★★☆☆
（まったくダレないホラー映画。さすがサム・ライミ。ホラー映画好きならオ
ススメ。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年11月8日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時30分の回
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