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サンシャイン・クリーニング（SUNSHINE CLEANING）
（2008年 アメリカ）（上映時間1時間32分）
監督：クリスティン・ジェフズ
出演：エイミー・アダムス、エミリー・ブラント、アラン・アーキン、ジェイ
ソン・スペベック、スティーブ・ザーン、メアリー・リン・ライスカブ、クリ
フトン・コリンズ・Jr.、エリック・クリスチャン・オルセン、ケビン・チャッ
プマン
＊シネクイント、TOHOシネマズシャンテシネほかにて全国公開
ホームページ http://www.sunshine-cleaning.jp/
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＜ストーリー＞
問題児の息子を抱えたシングルマザーのローズ（エイミー・アダムス）は、昔
の恋人と不倫中のハウスキーパー。一方、妹のノラ（エミリー・ブラント）は、
いまだに自立できずに父親と同居中で仕事も長続きしない。そんなある日、
ローズは事件現場の清掃で大金が稼げると聞いて、ノラを誘って事業をスター
トさせるのだが……。
＜レビュー＞
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ダメダメ姉妹の再生を温かな視線で描いたヒューマンなドラマ
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負け組家族が娘の美少女コンテスト出演をきっかけに再生していく、ハートフ
ル・ロードムービー『リトル・ミス・サンシャイン』のスタッフが手がけたの
がこの映画。なんでも最初は全米で4館のみの公開だったのが、口コミで大ヒッ
トしたとか。
主人公はダメダメ姉妹。姉のローズはかつては高校のチアリーダーでスターだ
ったのに、今ではサエないシングルマザー。ハウスキーパーをしながら子供を
養っているが、目下、高校時代の元彼と不倫中。一方、妹のノラは仕事をすぐ
にクビになり、自立できないままに父親と同居中。
おまけにローズの息子ときたら、とびっきりの問題児。そして、姉妹の父親も
大金目当てに怪しげな食料品販売に手を出すダメおやじ。要するに、この家族、
一家揃って完全な負け組なのです。
そんなある日、息子の学費のために割りのいい仕事がしたいローズは、不倫相
手から「事件現場の清掃で大金を稼げる」と聞いて、ノラを引き込んでさっそ
く仕事をスタート。
ところが、実際に出向いた現場は想像以上に凄惨なもの。それでも、大量の血
や悪臭と格闘しながら、親切な片腕の道具屋のアドバイスを受けて、少しずつ
プロの清掃屋へと変貌していく姉妹。
こうしてダメダメ姉妹が、事件現場の清掃というユニークな仕事を通して再生
していく姿が、温かな視線で、ユーモアたっぷりに描かれます。派手なところ
はまったくないけれど、笑って、泣いて、感動できるセンスの良い映画です。
自身のダメダメな境遇に対する苦悩やいらだち、やがて見出す希望など、姉妹
の心理の微妙な変化が自然に伝わってくる脚本＆演出が好印象。監督はニュー
ジーランドの女性監督クリスティン・ジェフズ。
姉妹、特に妹のノラにとって、母親の死が大きなトラウマになっています。そ
れが、事件現場の清掃を通して他人の人生に触れることで、前向きな方向に変
わっていきます。このあたりの構成も見事です
映画の後半、順調に行きかけた姉妹に大きな事件が起きます。それによって、
姉妹の間にわだかまりが生まれます。それぞれがお互いの心の内をぶちまける
シーンでは、思わずホロリ。
それでも、ラストは前向きで明るいシーン。観客はポカポカした気分で映画館
をあとにできるはず。
姉のローズを演じたエイミー・アダムス（『魔法にかけられて』『ダウト 〜あ
るカトリック学校で〜』）と、妹のノラを演じたエミリー・ブラント（『プラ
ダを着た悪魔』）が、なかなかの演技。2人の父親役のアラン・アーキンも、相
変わらずいい味を出しています。『リトル・ミス・サンシャイン』の時と同様
にブチ切れたオヤジ役が絶品です。
《ぽちの満足度》
★★★☆☆（＋1／2★）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）
（姉妹の再生がきちんと描かれています。派手さはないけれど、人間に対する
温かな視線が感じられるあと味の良い映画。）
（田中ひろあき（ぽち））
〔鑑賞データ〕
2009年7月12日（日）シネクイントにて。午後1時40分の回
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